四〇ワットの裸電球が明滅する三畳の小部屋に集まった、ゼニゴケ、ナメクジ、カマドウマ、ゴキブリ。人間から忌み嫌われ、虐げられたものたちの哀しきモノローグが交錯する。そこへ、堂々たる貫禄のビッグ・ボスが登場。座は張り詰めた空気に包まれる。
その日、わたしが乗りこんだのはフレンドリー特急だった。「あれっ、その靴いつ買ったの?」初対面の若者が突然わたしに話しかけてきた。心の距離感が、いきなりにして近いな、と感じた。しかし、ここはフレンドリー特急。郷には入れば郷に従えである。
面白半分で「山本ホイホイ」というのを買って流しの脇に置いておいたら、入るわ、入るわ、今日になって見ると、五人もの山本が捕獲されていた。由々しき事態である。こわいもの見たさで中を覗き込んで見ると、なんのことはない、全員が知っている顔である。
なぜ、今この時代にフンコロガシは糞を転がすのか。糞を転がさなければならなかったのか。フンコロガシが自らの使命を語り尽くす独占インタビュー。
天才発明家・真辺誠四郎。自ら「今世紀最大の発明」という、『革命ソース』がついに完成した。どんな野菜をもおいしくしてしまうという、その革新的なソースとは……。
電話がなった。君からだ。 その澄んだ音は私と君の、ささやかな抵抗だ。しかたのない社会の仕組みから逃れようとする私たちの無力な抵抗だ。 そして今日もまた、電話がなった――
「16歳の誕生日おめでとう」夜中の0時に俺の部屋に入ってきた知らない人。 「私は誰でしょう」と声を張り上げた途端に煙が知らない人を包む。 「だららららら」と煙がもうもうと部屋を埋め尽くす中ドラムロールの声真似が聞こえる。 「実はお母さんだったのです」と威勢よく言い切ったが煙で本体が全く見えない。 窓を開けると二月の寒さが煙まみれの部屋をじわじわと襲ってきた。
都内某ホテル。会議会場の入口に『重大発見に関する記者会見』という表示が出ていた。会場の中にはたくさんのイスが並べられ、すでに大勢の記者たちが座っていた。彼らの正面にあるテーブルには所狭しとマイクが林立しているが、肝心の主役はまだ来ていない......
ある少年は主人公だった。 冴えなくて、カッコ悪い。自分がやったことを人のせいにしたり、言い訳する。そんなつまんない一人間である。 彼の中にはいつも様々な妄想が渦巻き、そして消えていく。そして、いつしかそれをまとめ終わると、……時が経ち、そうやって妄想していたことも忘れてしまったころ。 彼は自分の暮らすアパートの一室の中で一通の手紙を見つける……。
アパートのボロさもいい加減うっとおしくなってきた主人公はマンションへお引っ越し。独り暮らしにそんな金あんのか、とかそういうのは置いといて取り敢えず一日の仕事を終え疲れて帰ってきた主人公はある一枚のメモを発見するのです……
【第一の相談者:二十代男性社員】わっ、ホントにロボットでやんの。え、ああ、うん、聞いてるさ。見かけはどうあれ、最新鋭のカウンセラーマシンなんだろ。でもさ、最初に全社員の現状を知りたいから、何でも不満をブチまけていいよって人事課長は言ってたけど......
地方の田舎の由緒ある神社に住む高校二年生の春哉は、日中は学業そしてスポーツもできない、いわゆるダメ男であるが妖怪とコミュニケーションが取れる。 しかし、春哉は日を問わず、その地方に住むこの世に存在しないはずの者妖怪や幽霊が人に害を与えぬように封印しなければならないという決まりがあり、丑の刻になると代々培われてきた遺伝によりもう一人の自分が表に出る。頭脳、運動すべてにおいて別人に変貌する。 いつも通り退治し倒したはずの幽霊を春哉は封印できずにいた、それは小さい頃交通事故でなくした、幼馴染のひなのであった。春哉そこで使命を裏切りひなのを助けてしまう。 結ばれるはずのない二人の時計が動き出す