ジャンケンをすれば負けることもあるよ。でも、私は負けたくないのよ。男女のジャンケンはある種の駆け引き。どちらが主導権を握るか、彼らは互いを牽制し合う。
ティアナの家――ガルドからやってきた鍛冶屋の家系、マリーゴールド家に『ビックリ箱騎士団』+パム 王族や騎士の家とはまた違った、自然の真っ只中にポツンとたつマリーゴールド家。しかも家の前には海――ではなく湖が! 折角の夏休み、泳ぐことは当然で……となれば全員水着になるということで…… マリーゴールド家が元々あった国、ガルドとはどんな国なのでしょう?
項垂れている彼の服を脱がせ、濡れた体を拭こうとして、私は一瞬躊躇した。まだ子供の柔らかな肌には不釣り合いの引き締まった肉体に、子供の頃から思うように運動が出来ず貧弱だった私は、嫉妬と同時に憧れのような感覚を覚えた。
春菜先生が慌ててハンカチで俺の鼻を押さえた。俺の目の前に屈んだ春菜先生の、Tシャツからのぞくおっぱいの谷間。 俺は鼻血を出していた。 (先生のおっぱいが原因ではない)
成績でトップ争いをしている――と思われている――咲雪(さゆき)と晃(こう)は、実は母親同士が親友で、一緒に会社を立ち上げたほど家族ぐるみで仲がいい。咲雪たちが高校生になってから少し経った頃、母たちが海外出張になる。一人になる咲雪を心配して、晃を一緒に住まわせることにしてしまう。のんびりした性格同士で問題なく過ぎて行く同居生活だけど、ある雷の日、咲雪と晃の関係は大きく変わって行く――。
ママは死者が乗る列車をホームで待ち続けていた。ホームは果てしなく長く、その果ては闇の中に消えていた。ホームには一台の電話が設置されている。それは下界の自殺志願者と繋がる電話。電話が鳴った。ママは自殺志願者に、死を選択させることも、生きることを説得することもできるのだった。