口紅と朝

いつから化粧をし始めたかは
すり減ったペンシルが教えてくれるよ
お前何代目? いつも最後まで使えなくて悔しい。
いつから頬紅をピンクにしたかは
汚れたブラシが教えてくれるよ
いつ洗ったかな 忘れたくないくすんだオレンジ
垂れ目のほうが好きだなんて無神経で嫌になっちゃうな
あんたのために生まれたわけじゃないし
でもあんたのために顔作るならさ
少し目尻下げ目に描こうかな
春夏秋冬いつもの朝15分
この時間あんたに捧げるから
このひとときなくすの惜しいなって
思えるくらいでいさせてよ ねぇ

長い髪の方が似合うだなんて無神経で嫌になっちゃうな
あんたのために伸びる髪じゃないし
でも最近リンス変えたの
あんたは気づいてないだろうけどさ
春夏秋冬いつもの朝15分
あんたのために早く起きるから
この時間まだ寝てたいだなんて
思わせないでよ ねぇ

あの子のことが好きなんだなんて無神経で嫌になっちゃうな
なんとなくわかっていたけどさ
朝15分早く起きる意味がなくなっちゃうよ
目覚ましの設定変えなきゃいけないかな
春夏秋冬いつもの朝15分
あんたの好きな赤のリップが使い切れないまま
この色なくすのはなんか惜しいなって
今日も思わせていてよ ねぇ

口紅と朝

言うて化粧時間かける人もっとかけるよなって思いました。そうです、怠惰です。

口紅と朝

報われない

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-06-07

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted