いろいろな高校の制服を着た女子高校生が紙袋を持って、熊野神社の石段を上っていく。 何をしに行くのだろう。
庭のスイレン鉢の中の出目金が眼帯をかけている。それを見た猫たちが雀瓜の実をとってきたが、僕は何をしたらいいのだろう。
神社の鳥居の石に女の子が腰かけて泣いている。近所の人が何とかしようと集まっている。女の子を持ち上げようとしても持ち上げることができない。僕はそれを見ていた。
【慶長五年、凡将秀忠をおもう】凡将とは、徳川二代将軍秀忠のことである。 関ヶ原の合戦にて後世までの汚名を被った秀忠を、家臣達、父、そして彼自身の目線で書いた短編小説。