綺麗なものなどどこにもなかった。
俺のものはみんなのもの、みんなのものは俺のもの。だけどわたしのものはあなたのもので、あなたのものはあのこのもの。
「好き」は禁句なのに、あなたはしきりに「愛してる」と囁くの。
大好きなあの人の隣にいるために好きでもない「あなた」と重ねる夜。「あなた」とのぬくもりを感じながら心にはビュウビュウと隙間風がふいている。 ひとりめの「あなた」
愛するあの人と繋がっても心は吹き荒れていた。 あの人のことを昔から知っているあなたが、わたしを知りたがるなら、わたしもあなたを知りたい。