冬の案山子
中国紀元千年頃、唐末から五代十国という動乱の時代、各地で勢力者たちが領地の拡張を図っている一方、武術の世界ではまた別のストーリーが繰り広げられる。武術の習得に夢中する侠客も居れば、恋に悩む武林人も居る。そんな中で、絶世の武術書と重大な関わりを持つと言われる大唐王朝の玉璽をめぐって、必死になって捜し求める武林人も居た。武当派、少林寺、越龍幇、羞鶯笛、さまざまな武林宗派の利害衝突や喜怒哀楽が演じられる。二十年間隠された武当派の秘密、主人公の恋の行方、玉璽の在り処は果たして・・・
李府の惨事から二十年後、舞台は湖北武当山武当派に移る。いよいよ二人の主人公は登場する。なぞの来歴を持つ李志清に対して、孫貫明はなるべく冷たく遇するが、師の命令でその面倒を見なければならない。二人は果たしてどのようになるのか・・・