▼あらすじ 現代日本、学生である「ぼく」は、かつて祖父から友人の形見だという日記群を譲り受けていた。ふと、今まで触りもしなかったこのノートを紐解いてみると、そこには現実かどうかも怪しい、しかし確かな実感を伴って描かれる、不思議な怪奇の世界が広がっていた。 ────あるところ、書き物をする男があった。彼の身近には「山犬」と呼ばれるひとりの少年が影のようについていたが、紙色の肌に墨色の髪のこの子ども、陰影の煙の如き本性を隠し、身を屍肉で作ろうばかりの、人にはあらぬ化生であった。その周囲に起こる、不思議に事欠かない出来事を、男は静かに記録していた。 不出の怪記録、ここに開かれる。 2023-07-13 改稿 2018-12-28 改稿
学校が終わりタケトは屋根のある停留所でバスを待っていた。「雨降りそうじゃない?」と隣で見覚えのあるセーラー服を着た少女に世間話程度の気持ちで話しかけてみた…。※続きは本文へ。
一般的な商社に勤める32歳独身、浅田雄一。好きな食べ物はゴーヤチャンプルー。平日は忙しく働き、有能な人材として上司からも部下からも信頼され、休日は適度に酒を嗜みながら趣味の読書をする。落ち着いた性格で顔立ちも整った彼は、馴染みの居酒屋の娘に密かな想いを寄せているもののその自覚はない。周りから見ればお似合いの二人で、仲の良い互いの両親もあわよくば結婚を…と願っているもののなかなか進展を見せない。そんな平凡な男にある日、次々と悲劇が襲いかかる…!