地上が多重に重なって、五感は神域にたどり着く。ああ、この幸福だ。流れる涙は嬉しいから。全ての罪を背負うとも。永久の眠りに就こうとも。わたしは後悔だけはしないのだろう。微笑む彼の頬を涙が伝う。待ってて。わたしも今そこに行くから。
海の生物として生きていた前世をもつ3人の物語。 高校が舞台の青春ものです。純文学よりのエンタメ小説のつもりで書いています。 よろしくお願いいたします。
理想を語って羊水のような文字に揺蕩い、さようならもいえなかった弱さを粉々にして、今日も行儀良く座っています。教えられた箸の持ち方を流し目で愛しみ、しんだ抜け殻をかわいそうにと撫でています。
おいでと言う。やさしい声色。もうなにも怖くないというような、わたしだけを愛す力強い。「おめでとう」もう必要ないからと、譲られたリードは行き場を失って。
もう帰りなさい。と、お帰りなさいは似ている気がする。早く帰れと急かされるたび、帰ってきてくれてありがとうと喜ばれている気になる。
バトル・文学・詩的文章を融合させた実験小説。作品自体は過去に投稿していた小説の改稿版。
スピエルドルフでの冬休みを送るロイドくんがその日向かったのは立入禁止のとある場所。 愛の力に満ちたカーミラが行うのは数百年前から続く王の職務で―― 一方、S級犯罪者を監獄へ連れてきたフィリウスに次の刺客から連絡が入り――