あまねくなんじにじきをほどこす、ねがわくばなんじかくかく
最初に投稿された正真正銘の投書。没投書ファイルとして、保管されていたのだが、ひょんな切っ掛けから日の目を見ることになった。 それは、とある無人島で起こった殺人事件が記されていた。 フィクションか事実なのか。 物語はやがて、ロンドン警視庁のコールドケース課を巻き込んだ事態へと発展する。 ウィスパー寄稿文店主シリーズ、第3弾‼
レイチェル・ドアーは閑静な住宅街の一角にあるカフェでお茶を飲んで、もとい、蜘蛛の巣を張って獲物がくるのを待っていた。 するとそこへ、2人の男性が訪れた。 2人は友人らしかったが、会うのは久しぶりのようだった。 ひとしきり、雑談を交わした後、1人が話題の一つにと話し始める。 「実は、先日事件に出くわしてね……」と。
ウィスパー寄稿文店に店主エマ・アドソンは接客が苦手だ。だから、画期的な方法を思いついた。 投書と言う方法を‼ これなら、直接人と接しなくても寄稿用のネタを集めることができる。 我ながら頭が良い。そう思った。 善は急げ、エマは早速、新聞広告用の文章をタイプし始めたのであった。
大鳥邸の蔵には、朱塗りの杯があると伝えられています
こんな処に居やァがつたか、犬畜生 此れで手前エを殺つて仕舞いよォ
ホラー超短編集。 不具の島。それは欠けた子供の行き着く島。不具の島とは何なのか。そこに魅せられてしまう子供たちの超短編集
私の態度に頬をプクーと少女は膨らませて天幕の裏に入ってしまった。だがすぐさまに出てきて両手に新しい代物を私に見せてきた。 金魚鉢だ。透明な器に一匹の出目金が尾を揺らして泳いでいる。 「出目金ちゃん、出目金ちゃん、この男が思っている事を映し出してちょうだいな」
ハネムーン。珊瑚の産卵する満月の海に遊ぶ二人を、人魚の群れが襲った。男は生物学者として人魚を追い、その成果は着実にあがりつつあったのだが、突如として、警察の手に落ちてしまった。 いわれなき罪を叫ぶ男が暴いたおぞましき人魚の生態。人類に未来はあるのか。男の訴えは届くのか。全てはこれを読んだ者にかかっている。 暴かれた人魚の生態の一例:人魚は上しか向けず、汗をかかない。臍で呼吸をし、常に鼻水を垂らしている 他。
雪の前では、あなたと、あなたの吐く息の、二人きりになるのです。
人は、時に深く迷い込む悩みの闇の中。 人の心も自分の中に取り込み感じられるその辛さ。 人に理解されなくても、私は、知ってしまう他人の心の内。 だから、治療が出来るカウンセラーです。 そんな心の治療師の言葉に出来ない悲しい言葉達を、綴って行きます。
主人公・透也は、同じクラスの、ほとんど人と話そうとしない少女、鈴音のことが気になっている。親友の杏里も、密かに同じことを思っているようだ。しかし透也は、鈴音のことを素直に好きだとは思えない。蝶のように儚い感じのする鈴音を、なぜか憎いと思ってしまう自分がいる。 鈴音と関わりだしてから、仲の良かった透也と杏里の二人に少しずつ亀裂が生じ始めるが・・・。