一流会社の営業マンである夫と、私立大学の付属幼稚園に通う、かわいい盛りの息子。主婦である水沢恭子は、時折誰かに見張られているような気配と、ひどい頭痛を覚えること以外は、はた目には幸せに見える生活を送っていた。ただ一つ、過去に起きたある事件のことを除いては――。七年前。当時幼稚園児だった水沢家の長女、来夏(らいか)が、遠足に訪れていた山林で行方不明となり、未だ発見されないままの状態が続いていたのだ。恭子の夫である和彦は、親として当然娘の無事を信じていたが、普段娘のことをあまり気にかけている様子ではない妻に対して、ひそかに違和感を覚えていた。実は恭子のほうも、来夏の事件について、夫にも話せないある秘密をもっていた。夫婦は互いに相手の真意を推し量るようにしながら、日々の暮らしを続けていた。娘が無事であれば、小学六年生、十二才に成長しているはずの夏。恭子の身辺に、突然一人の奇妙な女の子が現れる。
読者参加型作品として某イベントに出展しようかと考えています。このサイトでは詳しくは載せませんが是非イベントに来て招待状を獲得して数倍この小説の世界を堪能していただけたら作者としても幸いです。 【注意】 本作では登場人物という登場人物は登場しません。登場人物は読者様ご自身となります。じゃあ、現実的なものを題材に取り扱うのかというとそうでもありません。あくまでも登場人物の私(=読者様)を非現実的な場所へ招待しそれぞれ違う感性を持った方によるpartyを小説内で開いてみようじゃないかというのが本作の主旨です。苦手な方もいらっしゃると思います。私自身、小説投稿にはまだ慣れず、未熟者ですがお付き合いいただけたら幸いです。 party=(客を招待して食事・余興などでもてなす社交的な)会、集まり*英和辞書より
日常に飽きた女子高生と逃亡中の連続殺人犯が恋に落ちてしまう話。 彼が殺人鬼であると知ったその瞬間から、彼女は彼の全てを嫌悪した。 だがそんなことはお構いなしに、彼は彼女の心を侵していく。(※2015/10/11加筆)
それは黒いカバンだった。誰がそこに置いたのか、公園のベンチの割と目立つ場所にあった。一之瀬がそこを通りかかったのは、急ぎの郵便物を投函した帰り道だった。会社に早く戻るため、公園の中を通り抜けようとしていたのだ。カバンを見た一之瀬は、その...
男は若く優秀な芸術家であったが、不治の病、心臓結晶化病に侵されてしまう。作品を作れなくなる恐ろしさに震える主人公は、ついに最後の作品を作ることにする。
母を6歳にして亡くした主人公粟崎 利乃【あわざき りの】は、母が亡くなったことをきっかけに全ての感情を失くしてしまった。 だが、利乃は中一の春に一つの感情を取り戻す― それは”友を思う優しさや喜び”だった… その感情を思い出させた人物、それは、幸本 由斗【こうもと ゆうと】 ごく普通のどこにでもいるような明るい青年だった。 由斗には多くの友人がいて、親友もいる。 利乃はいつか俺も由斗の親友になりたいとひそかに思うようになっていた。 そして、由斗は一つ誰にも明かしていない秘密があった… それは、幼いころのある小さな一つの事件にあってからの事だ ”不思議な能力”…と言ってもいいだろう 利乃はその不思議な能力に引き寄せられたのか、はたまた偶然か… ―これは、ある殺し屋の家族とある日突然不思議な能力を身に付けてしまった笑顔の絶えない明るい少年を描いた現実にありそうでない話―
荒俣宏先生が執筆された「帝都物語」。かの伝説の小説を読み、もし主人公「加藤保憲」がこの時代に現れたら…。そんな妄想をしているうちに、妄想は膨れ上がり、生まれて初めて、筆をとってみることにしました。 本作は、「帝都物語」の登場人物を同名の人物を登場させていますが、荒俣先生の作品とはまったくの別物、別の世界として書いてございます。 -あらすじ― 現代の東京。「ある出来事」をキッカケに刑事・加藤保憲は目的の見えない怪事件に巻き込まれていきます。事件解決の先に見えるのは… 魔人降臨を目論む謎の組織との戦い。「真に平和な世」は訪れるのか…。 -そして僕のつぶやき- 現在、序章・一章は書き終えていますが、頭の中のプロットは8章分… 仕事の合間に書き溜めて、序章・一章を書ききるに要した時間は1年。 はたして、僕は書ききることができるのか?!
全3章の短くまとめた短編です。 人間の心に潜む願望や多くの人間がそうである様に 物語の主人公では無い人間の末路を描きたいと思っています。
「核兵器がダメになってるって、いったいどういうことよ!」この国初の女性大統領がそう叫んだのは、外部から完全に隔離された秘密会議室の中だった。大統領の前にいるは、制服を着た恰幅のいい初老の男と、背広を着た老人である。制服の男は困ったように...
褐色の召使い ジナダーサと、二十一歳になった角川奈々の、危険な物語。褐色の召し使い ジナダーサと、二十一歳になった角川奈々の、危険な物語。褐色の召しつかい ジナダーサと、二十一歳になった角川奈々の、危険な物語。
【聖ベルサレム学園】 通称『ベル学』 広大な敷地を有するここは全寮制でミンション系の学園。 この学園は去年まで別の名で呼ばれていた。 【聖ベルサレム〝女学園〟】 そう、去年までこの学校は女子高だったのだ。 『ベル学』の生徒数は約一二〇〇人。 内、男子生徒の数はたったの……四人。 そんな学校に理不尽な親のせいで無理矢理転入させられた一人の男子生徒がいた。 彼の名は【八園寺 統志朗《はちおんじ とうしろう》】 彼には一つ、どうしても苦手はものがあった。 それは『オンナ』 過去の経験により、『オンナ』を嫌い、『オンナ』を避けて生きてきた。 そんな彼が去年まで女子高で、しかも男がたったの四人しかいない学校でどうやって生きていくのか。 そして彼の『オンナ嫌い』の行方は……。
某大学の基礎医学研究室。デスクに座った白衣を着た高齢の人物が、入って来た若い男に尋ねた。「ああ、篠田くんか。卒論のテーマは決まったかね」「一応決めたのですが、このテーマでいいのか、ちょっと悩んでいます」「ほう。どんなテーマかね」「浅野教授はマゼランというサプリを…
1982年、今から三十三年前の11月26日。 前代未聞といってよい事件を起こした天才青年 Raymond Kobayashi。 婚約者の一生を棒にふらす怪我を負わせながら、被害者方に好奇の目が注がれる事態を憂慮した警視庁が介入を見合わせたため、報道されなかったのみならず、Kobayashiは傷害の罪さえ免れた。 犯行に至るまでの異常な心理を記した、彼の遺書を見る。
森の中に善人が一人いました。その時は、周りの草木や小動物などとも話せていました。 新月と満月のとき、善人は胸の内になにかもやもやを感じていました。 しかし善人は森の中で、同じ姿のものに出合い、どんどんと出会い、集落をつくります。そこに住んでいた生き物たちはびっくりしました。そうしてより良い生活のためにいろんなことをしていきます。塀をつくったり、もやもやが気にならなくなったことで夜遅くまで活動できるようになったりと。 ある善人がまた森で人に出合い自分たちの集落に誘ったが、断られたと騒ぎます。その人は森が作り出した「キジン」だと叫ばれるようになりました。 そして、食べ物の分け前で、トラブルが起き「悪人」がでました。 集落にいたある者―「キジン」は、一連の出来事を書いて集落を去ります。それはのちに文献になるものです。
殺人に、時効はない――という話です。 出来はともかく、ちゃんとお終いまで書いてます。 短編:7463文字です。 4000文字~39999文字までが『短編』らしいので、目安として。