幼いわたしが恋したのは、美しい少年の姿をしたアンドロイド。だが『彼』の心は別のひとのものだった。哀れで優しい、わたしの祖母のものだった――。いつかの未来ではじまり終わった、ある恋の物語。
鴎流しと呼ばれる雪嵐に見舞われた港町。足止めを食らった旅人たちが集う宿の酒場で、ある男が退屈凌ぎの一興を提案する。大陸の西の果て、謂れの途絶えた土地にまつわる『歴史作り』。物語の題材として示された十の遺物のひとつ、謎めいた魚の鱗を手渡された薬売りは、懐かしい記憶に導かれるまま口を開いた。「竜になるという魚を知っているかい?」錬金術師の末裔が物語る、斜陽の時代の妖精譚。
小さな人間の少年、リオンは博士と一緒に暮らしていた。リオンは博士のことが大好きだった。 博士はリオンのことをロボットだと言い、彼を人間にするための薬を研究している。 リオンはそんな薬なんてできるはずがないのにと、そう思っていた。
高校生の弥生は、隔年で人を殺す犯人を見つけ出そうと推理小説部を立ち上げる。部員の渉と昴と共に、「隔年の悪魔」を見つけられるのか? 「どうして殺人を犯すのか」を聞くことはできるのか。
愛してほしい人はいつも隣にはいないね。 鬼売り屋と純喫茶”戦争屋”の若い店主が、神無月の終わりに夜な夜な言葉を交わす短編。 サクッとしっかり読めます。深夜におすすめです。残酷な愛。