緑の香りというものがこんなに芳しいのだとシャルと呼ばれた少年、愛実は知った 部屋の窓を開け放つと麗らかな陽気に照らされた庭の草木が輝いている
社長に買われただけの、美しいだけの僕
ああ、うるさい。 誰も心臓を動かさないでくれないか?
あんなだから、だよ。お姉ちゃんさ、知ってしまったんだ。吹奏楽の楽しさを
でも、セックス以外は何も楽しくないの
「お姉さんどうしたんですかー? 具合でも悪いの?」 「私もね、ここで座っていたら猫になれる気がしていたの」
人間は、天使と悪魔から産まれた子なのかもしれない
次に会うときは、ただの知り合い。
お兄は何にもできない 俺がいないと駄目なんだ
僕は言いだせなかった。嫌だという一言が
夏休み、天体観測に行かない? 君の目が見えるうちに一緒に色んなものを見たい
卒業まで待って、なんて漫画みたいに言える大人じゃなくてごめんね
小さいとき花火が嫌いだった 大人になるって変わることだ
「先生、先生ってボクのこと好きでしょ?」 「なんでそんなこと分かるんだ?」 「分かるよ、だってボク先生のこと好きだもん」
「フラれたよ、昨日」
真っ黒な詰襟はわたしにとって喪服といっしょだ
世界でふたりぼっちになれたらいいのに
夫の葬式は静かに雨が降っていた 五十年仕えたメイドと彼を見送る
ストリップショーで観た白い性器は果たして正しかったのだろうか
彼女って呼ばれたい 三人称じゃなくて、大切な人という意味で