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 歩いていると目の前に黒い小さな点が現れる、不安に
苛まれている証だ。あと何年生きるんだよ、そんな心の
声が聞こえた気がした。まだあの時の記憶は拭えないままで毎日あの頃の記憶に縋り貪る日々。痩せこけ、そこに
未来の自分の姿なんか無かった。あのハブられたイヤな
思い出達が染みになったまま取り残されていた。今頃、
アイツらは自分の事なんか忘れてのうのうと生きている
そんな事を考えると腸が煮えくり返った。今もフラッシュバックに悩み苦しみ生きているというのに。今日のやけに
良い天気はそんな自分の心模様を嘲笑っているかのようで
その現実にさえ嫌気がさした、自分で命を殺めそうになったあの日の夜、団地の最上階にいた。ひたすら地下を
見下ろす、嗚呼このまま飛び降りれば楽になれる、悪魔の
囁きがやけに聞こえたが死ぬ勇気もない臆病者だった
 今に思えばあの時死んでおけば今頃楽になれたと
思う程精神が滅入っている、溜めた精神病薬をODし
 翌朝泣き晴らした後には全てどうでもよくなった

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  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-12-18

Copyrighted
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