ルタは絵を描く名人だ。彼の絵は自由すぎていつも枠からはみ出ている。絵を描き終えると、ルタはおばのルブの家に絵を持っていく。画家の叔母はルタの絵を喜んで受け取る。彼女の家の壁はルタの絵で埋め尽くされている。ルタは双子の姉のケブの息子だ。でも、本当は叔母であるルブの子供なのだ。ルブはルタにそのことを打ち明けようか悩んでいる。青い絵の具を塗りたくりながら、小さな天才画家ルタは言う。何を描いているかって?空だって、海だって、そんなことはどうだっていいんだよ。
『彼岸の竜と騎士見習い』の外伝として書き始めた短編ですが、関連性が薄いので独立した作品として掲載しています。 仕事をクビになった若者が祖父の家へ帰り、新しい人生を探すお話。 ※この作品は『小説家になろう』にも掲載しています。