狭いが勢いよく流れている小川がある。農業用水だろうか。
「町内を自転車で走っていたのですがな」
「消えた?」 「はい、人が消えたのです」
徳田はいつも朝に行く喫茶店が臨時休業だったので、別の喫茶店へ回ることにした。
「ふと思い出すことがある」
「今日はまた今日で、一日が始まる」
竹中は我が世の春を謳歌、満喫していた。といっても大した身分ではない。ただただ、穏やかなだけの毎日だ。
見えにくい。曇っており、霞んでいる。高島は鞄からティッシュを取り出した。
今にも崩れ落ちるか、倒れそうな自転車屋がある。
老紳士がぼやいている。