夜、眠れずに目を閉じていると、どこからか水の落ちる音が聞こえてきた。
私たちは、特別な列車に乗ってしまった。変わり者の小能見さんと私が乗り合わせることになった、不思議な電車のお話。
祖父の古い万年筆にまつわる私の記憶。
その声は、まるで空から降ってきたように、遠くから近づいてきた──。 『平家物語』の「鵺」を題材にした短編ファンタジーです。