三三八圭

コメディ中心です。(時々シリアスもあります)。よろしくおねがいします。

コメディ中心です(時々シリアスもあります)。よろしくおねがいします。また、全ての作品はフィクションです。

「35億円と指輪」キャンペーン

俺、成川一二(なりかわいちに)は普通の高校生。ただ一つ普通の人と違う点と言えば、つい最近「35億円と指輪」というキャンペーンに当選してしまったことだ。35億円と考えると、ごく一部の大金持ちを除いた普通の市民にとっては途方もない大金で、当選したら大層幸せなのではないかと思われることもある。しかしこれが大きな、大きな、大きな間違いなのだ。何故かというと、この35億円、いわくつきで、普通に使用できる代物ではない。購入したおにぎりが砂となって消えたり、豪邸に辿り着くまで途方もない年月を費やしたり、とかく妙な事が頻発するのである。

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全部、無かったことになる

空の夕焼けは、濃い紅色と、黒色が混ざり合ったような、歪んだ色をしていた。限りなく、夜に近づいている。僕の向こう側から、一人の男性が歩いてきた。僕も男性に向かって歩いていく。そして、僕と男性が交差するかしないかの時。僕は、その男性の肩を、トントン、と二回、静かに叩いた。瞬間、男性は、人間を司る様々な構成要素を地球へと還元し、その場から永久に姿を消していた。僕は、何事も無かったかのように、まるで散歩でもしていたかのように、また元の普通の生活の中へと溶け込んで行った。

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  • サスペンス
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僅か10分

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48回3分の1を投げ防御率0.00――その男の名は最終奇跡(ふぁいなる・きせき)

最終奇跡(ふぁいなる・きせき)、22歳。プロ野球球団、ファイヤー・エレクトリックスに所属する中継ぎ投手である。プロ4年目。田舎でちょっとは知られた存在だったが、ルーキーシーズンに防御率99.99という非情な現実を突きつけられ、絶望のどん底まで打ちのめされた彼は思った。これは、自分の平凡なストレート・カーブでは勝負にならない。何か、魔球を思いつかなければ。決して打たれる事のない、魔球を……!! 彼は危険を承知で、1年目の年俸を全て握りしめ、国内・海外・宇宙に武者修行に出た――。

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