痛覚が欠如した少女は、自分の存在価値を求めていた。 彼女の産みの両親は、兄弟なのだ。母親とその兄の性行為によって産みだされた少女。 母親は自分の子じゃないと言い張り、その兄と駆落ちしてしまった。少女は一時、施設にいれられていたのだが母親の姉とその夫。 つまり、叔母夫婦に引き取られたのだ。母親は、兄と姉を持っていた三兄弟になる。叔母夫婦には、子供が産まれなかったため、少女を引き取ることにしたらしい。 叔母夫婦は、無痛症の少女にとても優しく接していた。まるで、本当の家族のように。しかし、苦労はつきもので叔母夫婦は少女の行動に時々混乱していた。 それでも、叔母夫婦は少女のことを見捨てることは無かった。 少女は叔母夫婦のことを、愛したいと心から願っていたのだ。
季節感をテーマにした一次創作百合連作短編『カレンダーガール』一話です。 連作短編ですが独立した話であり、掌編に近い短さのため気楽に読んでいただければと思います。
もし、この世界を生きる意味は神様や世界が教えてくれるのではなくて、生きる意味を、私がどう決めるかを神様や世界が期待して見ている。としたら私が生きる意味は歩きながら考えて、好きなように自分で決めてやればいいじゃないか。全ての出来事には例外がある。神秘や奇跡や、その他のはかりしれない何かを期待して。 今の私なら、この仮説を信じて自分で生きる意味を見つけていこう。例外を楽しむだけの生き方で、理由は十分になれたから。だって、その先にいつか生きる意味を見つけられればいいのだから。
高校一年の夏。 幼馴染のあいつに、彼女が出来た。 恋人同士の絆は、時間が深めてくれる。 なら、幼馴染の絆は、どのくらいの時間を一緒に過ごしたら、恋愛に変わるのだろう。 あいつとの距離は、ほんの指先から20センチの距離。 それでも私には、もどかしい距離だった。
李府の惨事から二十年後、舞台は湖北武当山武当派に移る。いよいよ二人の主人公は登場する。なぞの来歴を持つ李志清に対して、孫貫明はなるべく冷たく遇するが、師の命令でその面倒を見なければならない。二人は果たしてどのようになるのか・・・
はいっ! 出ました僕2~! … はい、落ち着きます。(^^;; 2ということですが、これはその後、ではなく、もう一つの物語的な感じで進めてまいります。 これだけ読んでもいいんですが、できれば前作から読んでいただきたいですね。
ウィーンの日本人学校に通う子どもたちが繰り広げるハラハラドキドキの肝試し。夏にはちょっと早いけれども、短編なのでどうぞお気軽にお読み下さい。感想お待ちしています。画像は中央墓地のサイト(http://www.cusoon.at/wiener-zentralfriedhof)から拝借致しました。
「好きな人に『好き』って言われるだけで奇跡的じゃない。」 「100%」や「0%」、「絶対なんて言葉は無いんだと育ってきた。 その言葉だけが私の唯一の救いで、その可能性だけが私の希望だった。 「絶対なんかない」と信じてきた私が目の当たりにする今ここに在る「絶対」。 可能性なんかないのに、それでも期待して、傷つくの分かってても近づいてしまう。 私にとってあなたってなんなんだろう。 友達や親友、先輩や恋人、人と人の関係性にはいつも何かラベルがあるけど 私は今でもあなたとの間にあるはずのラベルが分からずにいる。 それがいつか分かる時、その時もやっぱり私は傷つくのかな。