『落ちる黄葉の楽園』『廻る木馬と踊る姉妹』の続編にして最終章。 病院での生活は一ヶ月を過ぎ、僕は退院の日が迫る。 姉の存在。事故の裏側。落下の中でどうしようもなく巻き起こるすべてをただ眺める。 そして私が語る『舞台裏』とは。 『落下物語』終着点。着地点。
『落ちる黄葉の楽園』の続編となります。 脚が動かない女の子 峰島 光美。彼女はその脳領域に意識のみの姉を宿していた。 『落下物語』車椅子に乗って日々を巡る少女の静かな踊り。
交通事故に巻き込まれた二人。貝木 黄葉と樋野 夕。 事故で切断された左腕。移植できたのは一人だけ。 片腕しかない男と、男の腕が生えた少女。閑散とした病院内で起こるチグハグでツギハギだらけの日々。 『落下物語』が今、落ち始める。
膜一枚隔てた向こうには眩暈を引き起こすほどの世界が広がっていた。 意識の中に旅立った「僕」は、そこで記憶の世界を歩く。 僕の夢。少女の夢。 不思議な世界のひとつの夜明けへ向かう物語。