何も判然としない……。青年は、自分が誰で、どういった人間で、そして今いるのがどこなのか、その全てが分からない。けれど彼にも一つだけはっきりとしていることがあった。それは、何としてでも果たさねばならぬ使命だった――
ダーン、という激しい音とともに木製のドアが蹴破られ、ごついS&Wのマグナム拳銃を持ったオオカミが室内に押し入って来た。薄汚れたデニムのズボンに、元は白かったであろうTシャツを着ている。灰色の毛に覆われた顔面に、二つの目だけがギラギラと光って......
某電子歌姫様の楽曲からイメージ。 錆び付いた街――その名も『廃材街(はいざいがい)』。中心地に位置する富裕街とそれを囲むように成り立つ貧困街。 その街に住む不運を辿る少年・シュン。 彼が路地裏で出会ったのはまるでパンダのように目の周りが黒い少年・マオだった。 二人の少年が歩む道筋とは――。
2作目の推理小説です。但し1作目の2次創作品になっていますが、こちら方が少し深いかもしれません。人間の奥底を啜るような味のある作品にと考えてみました。 お湯を注ぎ、このミステリーを読み終えた頃には「少し硬めのカップうどん」が出来上がっていることだろうと思います。 多分世の中には似たり寄ったりの作品があろうかと思いますが、自身のオリジナル作品として投稿しております。
死して力を得る。それが私たち、花の娘たちのチカラ。 死ねば花は枯れ落ち、やがて実を結び異形を成す。 花たちは力を得るために花粉をその身に受け入れ、死ぬための準備をしている。 そのことが、私はとてもじゃないけれど許せなかった。
フィンランドからやってきた「僕」は、研究所で働く「西野さん」と、交換日記をはじめた。「僕」を日本へ連れてきたのは「西野さん」だった。日本に来て感じたこと、そして「西野さん」やまわりの人への思いを、「僕」は黙々と言葉にしていく。この小説は5月24日に投稿しましたが、内容を大幅に変えて投稿しなおしています。短い小説ですので、さらりと読んでいただけると思います。ちょっと謎な話を読みたい方におすすめします。この小説は「小説家になろう」「エブリスタ」にも投稿しています。
物語作家七夕ハル。 略歴:地獄一丁目小学校卒業。爆裂男塾中学校卒業。シーザー高校卒業。アルハンブラ大学卒業。 受賞歴:第1億2千万回虻ちゃん文学賞準入選。第1回バルタザール物語賞大賞。 初代新世界文章協会会長。 世界を哲学する。私の世界はどれほど傷つこうとも、大樹となるだろう。ユグドラシルに似ている。黄昏に全て燃え尽くされようとも、私は進み続ける。かつての物語作家のように。私の考えは、やがて闇に至る。それでも、光は天から降ってくるだろう。 twitter:tanabataharu4 ホームページ「物語作家七夕ハル 救いの物語」 URL:http://tanabataharu.net/wp/
「ビックフィッシュ」には誰も信じないであろうホラ話という意味がある。 この話を聞いた人々が私の話を「ビックフィッシュ」だと言って笑ってもかまわない。 私は、自分の身に起こった世にも恐ろしく、奇妙なあの出来事を子供たちに今から話す。 たとえ信じてくれなくとも・・・。
蟲たちは人の世界を侵す。今はまだ人は人らしい生活を行えてはいるものの、微少な蟲たちは、けれども確かに人の住む場を喰い尽くしている。 テーマは「浸食」。やがて人は住む場を失い、蟲たちにとって変わってしまう。 そんな「アイバミ」
特別養護医療少年院──。そこは、心に闇を抱える少年たちを収監する刑務所。その場所にあるのは、暴力と、心の病と、虚無。