腕の花は緩やかに全身を廻る毒のように、しかしその可憐さは一人の少女を魅了した。 彼女は花を見て笑い、しかし花は彼女を見て何を思うのか。 二人の間に私は立つ。花の香りと魅了された娘との間を取り持ち、しかし確かにその香りに誘われていた。
電波を受信したラジオが声を発する「今日は雨がすごいデスね〜。洗濯物が乾きませんッて言う、お便りが沢山届いていますよ!何々?今日はコインランドリーに行きましたら、そこには不思議な人が数人いまして…」
暗い道を照らしてくれる電灯。あなたはいつも、その様な電灯は目に入りませんが、足元を明るく照らして貰っていますよね。でも不思議な物でその当たり前の電灯に心をとめた二人がいます。一人は電灯に愛着を感じます。もう一人は電灯に対して畏怖の気持ちを抱きます。さてあなたは、どちらの気持ちになるでしょうか?鉛筆で書かれた一つの言葉から物語は始まるのです…
物語作家七夕ハル。 略歴:地獄一丁目小学校卒業。爆裂男塾中学校卒業。シーザー高校卒業。アルハンブラ大学卒業。 受賞歴:第1億2千万回虻ちゃん文学賞準入選。第1回バルタザール物語賞大賞。 初代新世界文章協会会長。 世界を哲学する。私の世界はどれほど傷つこうとも、大樹となるだろう。ユグドラシルに似ている。黄昏に全て燃え尽くされようとも、私は進み続ける。かつての物語作家のように。私の考えは、やがて闇に至る。それでも、光は天から降ってくるだろう。 twitter:tanabataharu4 ホームページ「物語作家七夕ハル 救いの物語」 URL:http://tanabataharu.net/wp/ ホームページ「反式芸術家七夕ハル 作品群」 URL:http://tanabataharu.jimdo.com/
若い母親が、子供を連れて無理心中した。 その後、ネットで拡散したのは、その若い母親のブログだった。子供が満員電車で嘔吐し、サラリーマンのスーツを汚したという小さなブログ記事。 そのサラリーマンに怒られたことで、死にたい――そう若い母親は記し、それが原因かどうかは分からないが、実際に子供を道連れに死んでしまった。 「世間」の目は、今、そのサラリーマンに襲いかかった。 ネットの炎上が、現実世界に飛び火してゆく―――
古い街に訪れた旅人は子供と子ヤギ、ロバの石像しか街の中に存在していない事に気づく。そして子供たちは不思議な歌を歌い続けている。 んたったー、んたったー、んたったー…
男の目の前には、巨大な鉈で半分を断ち切られたような形をした朱塗りの橋があった。その異様な橋に男は怯え、ぶるぶると全身を震わすのだった。
この世の全てに絶望した少年に、奇妙な出来事が起こる。それは『奇跡』ではないかもしれない。 『救い』ではないかもしれない。 それでも、世の中の理不尽に向かって立ち上がり、 その少年は男になる。