ふたりの女の子と海辺の夏。 ※2017年8月20日のCOMITIA121で頒布した本『夏葬』の原形(または核)です。『夏葬』中盤の一場面と少し被りますが、完全なネタバレにはなりません。
「…………守りたいんです。尊いものを」 魔術の得意な貴族の少年は、家を継がずに騎士団「白い雨」に入団することを決めた。 身分を隠して兵士として生活する中、彼は友を作り、街の娘達に恋をし、戦いに身を投じていく。 一心に理想を追い続ける、ひたむきな彼の青春の果てに待つものとは。
「縁側へいきます。お部屋を汚してしまいますから」 「縁側へ?」 男は女の手をとったまましばらく考えていた。その様子に、女は動悸を感じた。 「それをこちらへよこしなさい」 女は男に叱責されたと思った。この西瓜は汚れているから、この人は私を家に上げたくないのだ。そう思った。女の膝から力が抜け、男の胸に倒れこむ。男はとっさに身体を支える。そして女の首筋に口づけをする。 「恐ろしいのかい?」 青ざめる女の顔を見ながら、男はささやく。
エジプト雑学☆パピルス草は、成長すると4、5mほどになるそうです(wikiより)
台風が過ぎ去った夏休み。 バスケ初心者の少年はハーフコートのバスケットコートを備えた公園でひたむきに練習を繰り返していた。 そんな少年の元に現れた右腕のない少女は少年に何度もワン・オン・ワンを挑み、圧勝してはバスケをやめることを促す物言いを繰り返す。 人間関係、生き方に迷った時に人はどうなるのか? 自分のことにだけ集中していられるほどの融通が利かない世の中、生き方の模範解答などありはしない。 小説家になろう、カクヨムにも掲載しています