妖精飛翔症 何万人だか何十万人だか、分母は知らないが、その内の一人が発症するらしい奇病。 私がそれを知ったのは十三のときだった。
『終わりへと向かっていく世界、少女たちの幸せ』 藍様の小説(http://slib.net/80477)の2次創作です。
二人は悪魔の息子と娘。四つ子のはずが一人は流れ、一人は行方も知らず、二人きり。 母はいない、二人がまだ幼いときに病気で死んでしまった。父は知らない、顔も名前も声も、何もかもがわからない。 義理の父は優しいけれど、その妻は二人を恨んでいる。それにもめげず、二人は大きく成長した。
どうして産まれてきたの。どうして産まれてしまったの。そう問いかけても、きっと無意味に霧散するだけ。 人喰いの魔女は、しかしその子を忘れることはできず、町に繰り出し、人を喰う。
同窓生の絢斗の部屋には、満天の星空がある。そう話され、付いていくことにした絢子は、とある覚悟を決めていた。
―― 君が、無事に帰れてよかった ―― 君が、雨に濡れて無くて良かった ―― 君が、もう、一人じゃなくて良かった ―― ……我が、居らずとも