「この世に人間って、2種類いる」 「1番最初に人間としてこの地球上で進化した人種」 「それから何百年もあとに、同じように人間という種類に憧れて進化した人種」 これは、そんな李芙との話。
魔人族たちの協力のもと、マグマの中に沈む武器の回収に向かうロイド。 沈めたマトリア自身も忘れていたあるモノまで見つけたが、突如マグマの巨人が動き出す。 そして語られるワルプルガの歴史。話の最後にフェンネルが見せたのは占い師が使うような水晶で―― ムリフェンらも目的に向かって着々と行動する一方、新たな『罪人』が火の国に到着し――
謎の古代文明『オメガ』の最後の一日に迷い込んだ『僕』が、城からの脱出とともに自己回復に挑む時空を超えたファンタジー。七五調の文体で書かれています。 完全に何もかもうまくいくハッピーエンドではありませんが、とても晴れやかな希望を伴ったラストとなる作品です。
私は私を虚構にしたがる。すべてをSDカードに入れてすましている。「私」だって「彼女」というフィクションだ。康孝君もトモクンも石塚さんだって。けれど、本当に好きな人は地平線が違う。あくまでも水平な線のうえにいる。ガリガリ君は溶けてしまい、熱いアスファルトに落ちるけど。鶏柄でとったスープ。白濁したラーメンは、Iさんへの優しい気持ち。安心。あたたかいのだ。
40代の私。一人で生活保護で暮らしてる。いさむくんから毎日ラインが来る。いさむくんって? いさむくんとの恋。結婚する水田君。そしてセフレたち。いさむくんは本当にいるのかな。いいえ。いさむくんなんていないのでした。でもこのアパートに住み始めて一か月、私の生活のほぼすべてはいさむくんだけだった。人間であっても、細胞となっても、不安から逃れられず、そのため、性は鮮やかで、私にとってされるもので、痛いもの。いさむくんだけが知っている私の本当の欲望。器官。変質した性欲。明日も、もしかしたら明後日も、いつかにも訪れるその気持ち。刺してくる逢魔が時、黄昏、火灯しどき。それは私に限ったことじゃないのでしょう。きっと。さよならって言えるのかな。あふれる人へのいとしさ、フローリングの傷。