希望と倦怠。協調性と競争意識。友情と嫉妬。背伸びと憧憬。恋愛感情と獣欲。 矛盾する思考がぶつかり交錯して歳月を経てやがて結合して溶解すると大河を形作り、渓流をときとして激流を進みながら人生の意義と向き合う。 その起点となる高校2年生の冬。目立たないグループの6人の男子生徒が、2泊3日の修学旅行の2日目、課外授業のスキー場を抜け出した。枠にはめられた行楽ではなく、お互いとにかく楽しいことをやったほうが勝ち、と下山する組、スキー場コース外の雪山登山をする組と2つのグループにわかれて脱走する。 青春のターニングポイントと言える修学旅行で不良でもない彼らの大胆な行動は何を生み、何を変えるのか?
ある地方に存在する、目立たない中堅の大学『竜ヶ丘(たつがおか)大学』。大した事件など起きることのない平和な土地の、この大学内で小さな探偵サークルがあった。 「ドラゴン探偵団」 メンバーは4人。全員3年生。男子2人、女子2人。 いつか大事件が起きる!そしてそれを自分たちが解決する!そんな儚い夢を見ながら平和な日々を過ごしているメンバー達の、日常を垣間見る。
猫と三人の人間が織り成す小さな物語。……とか言うと谷崎を連想しますが全く関係ありません。 人間の汚い部分を可愛らしく書いたつもりです。よければお読みください。
天才建築家カー氏の設計した家には窓が無かった。奇抜なその建物は賛否両論、否定派の最大の標的となったのはその家に住む者がいないということだった。 そこでヤン氏が立ち上がった。彼はカー氏の熱烈な支持者であると共に、社会的地位の高い存在でもあった。ヤン氏は家族と共に窓のない家に住むことを決めた。 発表を兼ねたヤン氏の転居は大々的に報じられることとなった。ヤン氏一家はその家で生活を始め、物語は一つの終焉を向かえた。そしてまた、新たな物語が始まった。だが、閉鎖された物語が語られることはない。 そして最後は、全てが無に帰した。