「国の為に戦争で死ぬ。」ここにはまるで美徳のような誤解を感じる。

戦争で死ぬことが国を守ること、確かに戦わなければ他国に領土を取られてしまう。

しかし、戦って死ぬことはそんなに立派なことなのか?

私には大切な人の笑顔や友人達と生き続け、幸せを探していくことのほうがずっと大切なことのように思える。

しかし、そのためには領土を守るために戦わなければならない、犠牲に誰かがならなければいけない。

なぜ国々は手を取り合えない、分かり合えない。

そもそも、手を取り合う気も、分かり合う気もないように思える。


これは、戦うことの意義がわからないことに 上司 幾太 が考えその理不尽を抱えて書き綴った作品である。

「お前は国を守るために戦うのだ!!。」

父さんが僕によく言う言葉・・・。

父さんは軍隊の隊長の地位についていた事もあって僕に「国のために戦え!!。」っと、決まり文句のように言っていた。


ある時、父さんに僕は質問をした。「父さん、父さんはよく国のために戦えって言うけど。」

「国ってなに?」

父さんは予想通りその問いに答えられなかった。

よく国を守るために戦うって言うけれど。

国のトップを守ることが国を守ること?

国の人々を守ることが国を守ること?

国に住んでる身内や親しい人を守ることが国を守ること?

国の人々を守ることが国を守ることなら、何故その人達が戦って死んでゆくの?



国は人々が集まって初めは集落、村、街、と順々に大きくなってできたものでしかない。


今は何か違う、「住みやすくなった土地は渡さない!!」

「俺達はここで暮らすんだ!!」

という戦いとは違う。


まるで、国を守ることが美徳と教えられた人々が訳も分からず。戦って死んでいる。


共に軍隊にいた友が最後に言った。

「なぁ。俺達は何を守って戦ってるんだ?」

「何回、戦えばこれは終わるんだ?」

「結局分からないまま俺は終わりかよ・・・。」

友はそのまま息をひきとった・・・。


「国を守るために戦う・・・。」

戦う者は一人の人間としての幸せを求めてはいけないというのか・・・。


少なくとも友の妻に戦死の報告をした僕は、友の妻の幸せを守れなかったのは事実である・・・。

  • 小説
  • 掌編
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-02-28

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