【それでも、光に手を伸ばした。これは、消えることのない愛の証。】消えたかった朝に、泣きたかった夜に、死に損なった純情に、4編の詩を添えて。 作者:綾野こまどり
【旅に始まり、旅に終わる。】大津屋に奉仕することになった弥助は、主人平蔵の一人娘「おはな」と惹かれ合っていく。可憐な二人の運命を疑う者は、一人としてなかった。
それは9月の事だった。入学して半年、高校生活にも慣れてきた。友達も出来たし、居場所らしきものもあった。 彼女の生活は凡庸だった。起伏の薄い、昨日と今日が繋がっているに過ぎない日々。おおむね満足だった。 そんな訳でその日、死んだはずの彼女の友達がテレビに映ったのを見た時も、大げさに騒ぎ立てる程の事ではなかった。