下手文と下手絵を楽しんでいます。少ないお金と、一杯ある時間を楽しんでいます。金ある時は時間なし。時間あるときは金がない。まーどちらかあればよしとして・・・。
一行初回で、良しとして!
日光街道を今市宿めざして急ぐ一人の男があった。 宇都宮宿を出れば7里、宿なしで日のあるうちにつける距離である。 男の足は急ぎの足になる。江戸を立って草加の宿、古賀宿、宇都宮宿と泊まって来た。 三度笠を目深にかぶり、引き回しの道中合羽で身を包む姿は渡世人風であった。 渡世人にしては長脇差が見えない。代わりに背中に何やら大事そうな風呂敷包みがたすきにかかっている。