………時刻は午後13時。抜けるような青空は雲一つなく、ここ数日で一番の快晴。私達は今日、戦争を始める。 メカアクション・ファンタジー。
私には詩人、思想家、哲学者を自称する知人がいてね。彼女は或る時、時の皇帝アルシオンに次のような手紙を送ったんだ。
「ナナちゃんにとりついた悪魔を、オレは祓いに来たんだよ」 「アナタは幻想に支配された病人です。病院に行くことをお勧めします」 マッドサイエンティストな天才ミストレスから造られた杉浦ソラは、ミストレスの病弱な娘ナナのため、医療ソフトを搭載されたロボット召使です。ある日ソラの下に不思議な黒い羽の「死神」が降り立ち、ソラと死神の奇怪な対決が始まります。
銀河系の一角に汎人類世界の版図が拡大した未来-。 惑星ホルス生まれのニルヴァは惑星タルサに降り立つ。600万年前にラプサイト人が遺した遺跡を見て回る機会を得たのだ。 風化した地上の遺跡と別に、ラプサイト人は地底の奥深くに都市を造っていた。地底の遺跡都市は三十年に及ぶ調査を経て一般人を調査隊のメンバーに加えるようになり、ニルヴァは抽選で選ばれたのだった。 地下300メートルの「港」から次元推進するラプサイトの船は岩盤をすり抜けて遺跡都市の大河の上流に降り立つ。船は川の流れに乗って下流へ進み、ニルヴァが加わった調査隊のクルーは船で寝泊まりしながら、遠い昔ラプサイト人が退去した町や都市を調査して海に至る――。
拡張現実との均衡を保つために帯域を調査する周波数調整員。 その活躍を描くとするなら『俺』は主人公には向かないのでは…… 都市の幽霊。機械仕掛けの幻想。龍を追う者。 逢魔時の欠落者。その日常を描く。 この作品は「星空文庫」にも掲載しています。
屋敷牢の中で過ごす女、封月端月。彼女は幻覚と現実の狭間に生きていた。 そんな彼女を「主」として世話をする尾田切灯。夢か現か混迷極めるこの屋敷牢は果たして『幻覚の城』か、『現実の牢』か………。 屋敷牢シリーズ・上
「家族を助けてくだされば、この身を捧げます」 桜降る、とある春の日。 凶賊の総帥であるルイフォンの父のもとに、貴族の少女メイシアが訪ねてきた。 凶賊でありながら、刀を振るうより『情報』を武器とするほうが得意の、クラッカー(ハッカー)ルイフォン。 そんな彼の前に立ちふさがる、死んだはずのかつての血族。 やがて、彼は知ることになる。 天と地が手を繋ぎ合うような奇跡の出逢いは、『di;vine+sin;fonia デヴァイン・シンフォニア計画(プログラム)』によって仕組まれたものであると。 出逢いと信頼、裏切りと決断。 『記憶の保存』と『肉体の再生』で死者は蘇り、絡み合う思いが、人の絆と罪を紡ぐ――。 近現代の東洋、架空の王国を舞台に繰り広げられる運命のボーイミーツガール――権謀渦巻くSFアクション・ファンタジー。
合衆国の秘密組織《エスメラルダ機関》の研究が、不死の超人をアメコミの世界から現実に引きずりだした。 那智剣吾――彼はアメリカにその肉体を不死身の超人兵士に、その運命を戦う者に変えられてしまった。 最初はテロ事件の解決者として、次は主要国に牙を剥く、『自我を持ったコンピューター』の破壊の使命を負う者として、彼は世界中を飛び回る。 不幸な少女マリアと出会い、彼女の庇護者とならんと決意した時、彼はエスメラルダ機関と訣別する。そして自我を持つコンピューターに作られた超人兵士若林がかけがえの無い友として、彼とともに立つ。 この物型は、生きる運命を誰かに弄ばれることに抗う剣吾の、愛と、血と、暴力と冒険の黙示録である。