女子高生爪剥ぎ事件。 約一ヶ月前の事だった。あるひとりの女生徒が夜、暗く人通りの少ない帰り道を歩いている途中。後ろから金槌か何かで、後頭部を殴られて気絶させられた。右手に走る激痛に目を覚ますと、辺りには誰もおらず、右手の親指の爪が剥がされていたそうだ。
掃除時間はきまって体育倉庫に逃げ込む。誰も来ないここは俺の安息の地だったが、その日だけは違った。夏なのに冬服を纏う女子、雪島がいたからだ。それから、雪島は毎日体育倉庫に来るようになり、体育倉庫だけでしか会話しない俺たちの変な関係が始まった。
アスファルトも歪むような真夏日、コンビニの前で一人、チラシのようなものを持っている男の子が居た。 平凡に人間の格好をさせたらああなるんだろうな、というような、特筆すべき特徴なんて当然のようになく、注視していないと背景と混ざりこんでしまうような存在感だった。
2作品目の作り直しです。 私立陵命高等学校。三年生5人組のお話となっています。すこし2作品とは年が変わりましたが、よろしくお願いします。