『就職出来ればどこでもいいか』と仕事の内容も分からず虎ノ門本社に筆記試験と面接を受けに行った。 午前9時から筆記試験で午後1時から面接試験が始まった。 面接は、一度経験しているので同じ失敗はしなかった。 ほかに大卒生等男女合わせて20人程受けに来ていた。 大した成績ではなかったが景気の波に乗り、同クラスの鶴見と2人共に合格して仕舞まったのには『目出度し』と喜んだ。 一年後に大山浩二郎企画部長に私の試験答案紙を見せられた。 『中くん!君が就職試験を受けた時の将来の夢作文だよ』 『ニャハハハハハハ!!!!』と鼻で笑って見せた。 すると、字はミミズが這っていて、漢字の間違えが多く作文は小学生低学年だった。 『これでよく合格したな!?』と高度成長期の景気の良さに感謝した
昭和29年、寝台列車の中で起きた盗難事件。偶然車内に居合わせた刑事は犯人を捕まえたが、被害者は犯人の顔を見るなり彼を見逃してくれと言い始めた――そんな刑事の語る話を聞いた法医学者保科は、話の中には3つの疑問点があると指摘する。そして、この疑問を全て聞けば君にもすぐに事件の謎が解けるだろうと、そう不敵に笑うのだった。
温められるお弁当を待ちながら、お礼に店員さんを抱きしめて、いい気持にさせて、いやらしいところを温めてあげたい欲求に駆られる。
ヴェラ・クリスティは病室のベッドの上で自分の不運を嘆いていた。不意に訪れた不幸にヴェラは自嘲して、破滅を受け入れようとする。 だが、ヴェラが独りではなかった。病室を訪れる誰一人として、破滅も挫折も許してくれない。 そして、感動の暇もなく、祖母がロンドンへ出てきたリ、昔の恋人?が現れたり、熱狂的ファンのナースに変態女医に、ヴェラの病室はいつも騒がしい。 時を超えて再会した二人の恋の行方は? オーバーロードとの死闘の結末はいかに⁉ 個性的な登場人物が織りなす、ミステリー風味の日常系コメディ奇譚 時々、名言も飛び出すウィスパー寄稿文店主の憂鬱 Ⅳ 4話目にして初の長編‼
曲は、モーツァルトの『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』。言わずと知れた名曲。彼女は音の流れに寄り添うように、内側にある凝り固まったものを解き放つように、緩やかに体を揺らして、弾いた。
少し先の未来。小型ホログラム装置”スキンボックス”が開発され、人々は自分の容姿を変えるホログラム ”スキン”を投影して、手軽に理想の容姿を手に入れられるようなった。やがて、スキンは社会に浸透し、生身で歩く人間はほとんどいなくなった。主人公もその一人。日々スキンを変え、理想の自分を楽しんでいた。 ある日、街でスキンをつけず生身で颯爽と歩く女の子と出会う。気になった主人公は、スキンを変えながら彼女の後を追って行くのだが……。 そして同じ頃、街頭でスキンが一斉に悍ましい姿に変えられる事件が発生する。
久々に再開された有人月面探査は、主要国の共同事業となった。宇宙開発のコストが、一国の経済力では賄いきれない時代になったためである。各国間での軋轢も多かったが、予算に余裕があるおかげで月面車を3台持って行くことができ、今までにない綿密な調査が......