掌編小説第4弾は、拙作『あなたがここにいてほしい』から。主人公の僕、北原和義と七恵ちゃんの親娘に登場してもらいました。今作はあれからすぐ、その冬。年の瀬の小田原、相模湾。根府川(ねぶかわ)という海沿いの斜面にある小さな駅に訪れた二人を描いてみました。
芸術学部への進学を目指し、毎日近所の湖でスケッチをしている茂里。夏休みのある日、彼女は湖上に立つ八重垣姫を写真に撮る恩田志朗と出会う。 八重垣姫が誰なのか知らない茂里は、生粋の地元民である親父に話を聞く。以来八重垣姫はたびたび茂里の妄想に登場し、恋愛について口を出すようになる。 ある日茂里がいつものようにスケッチをしていると、足の悪い男が近付いてくる。するとその男との接触を阻むかのように、一匹の白蛇が茂里の前に現れる。
なぜ、こんなにも海が恋しいのだろうか。 運命を抱えた少年と少女が選ぶ道は、果たして何に続くのか。 さざ波の音を感じるファンタジー。
相島圭衣は古本屋でアルバイトをしながら、サークルや学業に勤しむ、一人の大学生だった。 アルバイト先でサークルの先輩である市井紗菜を見かけた日から、圭衣の周りでは少し非日常的なことが起こり始める。 ファンタジーと呼ぶにはお粗末すぎる事件に関わっていくにつれて、彼は少しだけファンタジックな、事の核心に触れてしまうこととなる。
新しい者と古い者。 より多くの物を得ることが出来るのはどちらなのか。 その選択は正しいことなのか。 少女と青年の旅が、ここから始まります。
本作品はPBW『Baroque Night-eclipse』の二次創作小説です。 新しい街で過ごす一日の終わり、そして新しい生活の始まりです。