メアリー・ベル・ガネスは殺人・密輸・拷問・略奪、悪行の限りを尽くすよろず屋だった。そんな彼女のもとにある1人の少女が訪ねる。少女と出会い、メアリーの心は少しずつ変化していった。それは気づかないうちに、気づかれないうちに。
こんなにあっ気なく自分が死んでしまうなんて、東海林は思ってもみなかった。ましてや、道に落ちていたバナナの皮で滑って転んだのが死因だなんて。だが、目の前には、倒れたままピクリとも動かない自分がおり、一方では、フワフワ浮かびながらそれを見ている自分が…
「あれ。またパソコンの電源入ってるぞ」 月曜日、出勤早々に五十嵐はつぶやいた。 五十嵐の会社では、業務用のパソコンが各自のデスクに配備されているが、節電と機密保持のため、退勤時には必ず電源を切るようにと言われている。もちろん、人間のやること...