歴史観測能力者によって、大きく歪んだ「現代」。 企業が、それぞれの「都合の良い未来」を守るために「殺人者」を放つ狂った世界構造によって、 翻弄されていく、元警察官の男と二人の少女。 命を犠牲に未来を掴むことを求められた三人が至る果ては? これは、罰へと至る咎の歴史、そのはじまりの物語である。
エスタ建国記念日の歓迎式典に招かれた大官僚ディック・シーゲル。最初は歓迎式典に出席することを拒んだディックだったが、部下に説得され、しぶしぶ歓迎式典へ出席することになってしまった。
調査の仕事をしていると、様々な人生の機微に巡り逢う。 対象者であったり、依頼人であったり、また、調査中に出逢った関係者だったり・・・ 皆、それぞれの人生を背負い、現実を生きている。 その人生の岐路を彩る、様々な情景・・・ ここでは案件の違う、それぞれ四つの情景を、ショート・ショートで回顧してみた。
ダンガンロンパより、苗木と石丸のお話です。過激な性描写などはもちろんありませんが、腐向けの内容となっております。
「 離婚して別居している娘の、成長した姿をビデオで撮影して来て欲しい・・・ 」 調査ではない案件が舞い込んだ。 ・・だが、どうやって撮影をしたら良いのか? 対象者である娘さんの写真は無い。 本人確認が出来ない状況なのである。 葉山は、大いに悩んだ。 そして・・・
ある男「私」の思い出からはじまる、少し不思議な物語……。 過去と未来はSFの定番ですが、それらをいわゆる文学風に仕上げてみました。 派手な出来事ではないものの、やや不思議な、そんな雰囲気重視のSF短篇です。 ですのでこれといった感想は出ないと思いますが、そんなものもアリでしょう。 それでは。
痛覚が欠如した少女は、自分の存在価値を求めていた。 彼女の産みの両親は、兄弟なのだ。母親とその兄の性行為によって産みだされた少女。 母親は自分の子じゃないと言い張り、その兄と駆落ちしてしまった。少女は一時、施設にいれられていたのだが母親の姉とその夫。 つまり、叔母夫婦に引き取られたのだ。母親は、兄と姉を持っていた三兄弟になる。叔母夫婦には、子供が産まれなかったため、少女を引き取ることにしたらしい。 叔母夫婦は、無痛症の少女にとても優しく接していた。まるで、本当の家族のように。しかし、苦労はつきもので叔母夫婦は少女の行動に時々混乱していた。 それでも、叔母夫婦は少女のことを見捨てることは無かった。 少女は叔母夫婦のことを、愛したいと心から願っていたのだ。
とある女性の身上調査を依頼された葉山。 依頼人の、不倫相手の女性の素性を調べて欲しいとの事だった。 ・・・また男女絡みの案件である。 しかし、不倫は、相手の素性が分からないところに、その魅力とやらがあるのではないのか・・・? 釈然としない葉山ではあったが、その依頼を請ける事にした。 ところが、調査を始めると、意外な事実が・・・
「生きるってなんなんだろうね」 消える少女、少女の残す意味深な台詞、少年と周囲の間に生じる認識の齟齬。少年は、その謎を解明するべく行動を開始するが――
3組に1組が離婚するこの時代。この夫婦もそんな1組だった。 しかし、この奥さんの友達と、ご主人の友達は共に夫婦、たとえ別れても友人関係は切れることはない、 切っても切れない他人の関係。 まして、二人の間に子供を授かったので、親子関係は切れる事はない。 赤い糸で結ばれるというが、その糸は切れたのだろうか?元来、赤い糸は見えないと言われている。 別れた夫婦に訪れる衝撃の出来事。まだ赤い糸は切れていないのだろうか? 別れたはずなに、前夫に近づく女性に嫉妬する前妻。結婚前からの夢を追い続ける前夫。 別れて初めて思う、子供の父親として、男手の必要性。 彼女はその穴をどうして埋めるのか?
歌い手のluzさんのアルバム『tWoluz』書き下ろし曲 Nemさんの『エンジェルフィッシュ』を元に制作いたしました。 luzさんのエンジェルフィッシュ⇒ http://www.nicovideo.jp/watch/sm24593668
或る戦の最中、己が足を負傷した一人の男が居た。 降頻る真白な雪の中、男が辿り着ひたのは一人の老婆が住む小屋であつた。 男は藁にも縋る思ひで其の小屋に逃げ込むだ。 冷へ切つた男に、老婆は温かな飯を用意する。 「雪女を、御存知でせうか。」 老婆は語り出す。切なく冷たひ、身も凍る様な昔語り。
太陽のような笑顔で、誰からも好かれる同級生・灯子。 そんな彼女はなぜ私のような存在とかかわるのか。光と影のような相反する二人の共通点。 太陽のたった一つの黒い点。彼女が抱える事故の真実に気づいた私は、彼女を悩ませる事故の犠牲者、彼女の弟に会いに行く。私にしかわからない、きょうだいそれぞれの気持ち。そして事故の真相。私が二人を結びつけたとき、怪しい均衡の上に成り立っていた灯子は。
「夜分遅くに申し訳ありませんが」 静かな室内に、闇とともに静かに侵入してくる影。 死にゆくものの最期を看取り、最後の願いを叶える死神。たった一人で部屋に籠る少年の最期の願い。最後の三日に寄り添う死神が見たのは、死を受け入れながら、むしろ死を望むような少年の孤独な姿。出会いの一日目、少年の日常の二日目、そして少年を取り巻く真実を知る最後の日。少年はなぜ死ななければならないのか。死にゆく少年に、死神が最後に吐いた嘘に込められた心情は。