項垂れている彼の服を脱がせ、濡れた体を拭こうとして、私は一瞬躊躇した。まだ子供の柔らかな肌には不釣り合いの引き締まった肉体に、子供の頃から思うように運動が出来ず貧弱だった私は、嫉妬と同時に憧れのような感覚を覚えた。
春菜先生が慌ててハンカチで俺の鼻を押さえた。俺の目の前に屈んだ春菜先生の、Tシャツからのぞくおっぱいの谷間。 俺は鼻血を出していた。 (先生のおっぱいが原因ではない)
成績でトップ争いをしている――と思われている――咲雪(さゆき)と晃(こう)は、実は母親同士が親友で、一緒に会社を立ち上げたほど家族ぐるみで仲がいい。咲雪たちが高校生になってから少し経った頃、母たちが海外出張になる。一人になる咲雪を心配して、晃を一緒に住まわせることにしてしまう。のんびりした性格同士で問題なく過ぎて行く同居生活だけど、ある雷の日、咲雪と晃の関係は大きく変わって行く――。
ママは死者が乗る列車をホームで待ち続けていた。ホームは果てしなく長く、その果ては闇の中に消えていた。ホームには一台の電話が設置されている。それは下界の自殺志願者と繋がる電話。電話が鳴った。ママは自殺志願者に、死を選択させることも、生きることを説得することもできるのだった。
この日ばかりはまりつきをするしかない。俺は仕方なくじっと体育座りをして大人しくみんなのまりつきを見て……はいなかった。 幼稚園でいちばん綺麗な春菜先生。数を数えながら揺れる、先生の大きなおっぱいを見ていた