近隣諸国との衝突が激しさを増す平成二十八年六月。 日本は戦争を始めた。 広島県広島市、警戒区域内に構える印刷会社に努めて六年目、碓氷 聡(うすいさとし)二十六歳は、諸々の面倒事を逃れるべく、同年十一月。辞表を提出する。 蜷川 千鶴(にながわちづる)三十四歳。広島市、警戒区域外にネットカフェ「心の蒼」を構える経営者である。時代の流れは商売の形態を少しずつ変化させ、自身が謳うポーカーフェイスもまた、その変化に戸惑う毎日を過ごしていた。 そんな折、日本全国に普及した薬物を使わない営利睡眠システム「季節の森」を営利目的で利用する聡と、無頓着にもこの装置で運営する千鶴は出会い、運命の歯車は刻々と回り始める。
地球から遥か遠く離れた場所に存在する、地球によく似た惑星『ギュプラー』。その星で暮らすのは地球人と全く変わらないマイラとエミリ。ギュプラーに降り立った宇宙飛行士・紀香は研究の一環としてギュプラーのテクノロジーに興味を示し、マイラとエミリは紀香から教えてもらった地球にある日本という国の伝承話に興味を示す。