共感を生む文学を。
大学院一年生の景子は、一つ年下の大学四年生の文也と付き合っている。その前には大輔という恋人がいたのだが、大輔が就職し、勤めの関係で名古屋に去った一年ほど前から文也と親しくなったのであった。本作品では、過去に景子との付き合いがあった塾の先生や大輔との思い出を絡めながら、景子の一夏の様相が書かれてゆく。
ふと空にある星を見上げた。1つ、また1つと見つけると、今まで気づかなかった全体に広がる無数の星が自分を包んでいた。しほりが体験する不思議な空間は、彼女ではなく、彼らとともに作り上げたものである。