すけあくろう

すけあくろう

案山子のように佇みながら。

水田は人為的でありながら、確実に「自然」を形成している。様々な命が生まれては消え、豊かさと淋しさが巡り、心に寄り添いながら刺激する。
物語もまた、人為的でありながら、ある種「自然」を形成する。私は自然に溶け込んだ人為である案山子として、静かに佇む。目の前の景色を語り紡ぐ。

「ここは物語の世界」

どうぞ、呼吸を合わせてお過ごしください。

「私は誰でしょう」

世界の住民でありながら誰にも意識されぬよう振る舞う、そんな存在です。

「これが私の世界」

お気の召すまで、ここに。

名前はもうない。

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