ゆめもり ふくろう
【西洋哲学/純文学/幻想小説/闘争物語/海洋冒険/海外古典】
「────汚れたものを、僕はあくまで排斥する。」 世俗を唾棄し、聖性なる唯美主義を信奉する天涯孤独の美少年が、ある日の夜半、頽廃主義の詩人メルローからデカダンスへ至る為の呪文を囁かれる。それを契機に少年の純な心には一筋の亀裂が走り…… 『人形への愛』『生身の人間への愛』という相容れ難き二項対立の狭間で揺曳する青春の残滓。プラトニズム的愛とエロチシズム的愛の相剋と物神崇拝の意味を探る──馥郁たる幻想譚。