また会う日を楽しみに Ⅶ

また会う日を楽しみに Ⅶ

ー大天使ミカエルー




ーそれは、すべてを支配する神に次ぐ力の持ち主でありー




ー天界の指導者であるー





『ユキ!どーしたの?急に天使のことなんか調べちゃって、珍しいね!』


『いや、なんとなく目についたから・・・。ねえ、真咲』


『ん?なあに~?』



『死んだ人は天使になるんだって。知ってた?』



『え、知らなーい!誰から聞いたの?』


『・・・誰だったっけ。覚えてないかも』


『何それ~!みかえる、っていうのが天使なの?』


『なんかね空の上の偉い人らしいよ。真咲は天使が実在すると思う?』


『さぁ?わかんない!』



『・・・だよね』



『ねえねえ!それより今からカフェ行って甘いもの食べようよ!もうお腹すいちゃった~!』


『そうだね。・・・ミカエルって、どんな人だろ』




『ん~?なんか言った~?』




『・・・なんでもない!今行く!』





ーーーーーーーーーー




あの時、なんとなく話しただけなハズなのに。




とても鮮明に思い出されていた。




「大天使、ミカエル・・・」




彼の背中にある白い翼が、なによりの証拠だ。





「・・・ごめんね、ユキ。巻き込んでしまって・・・でも大丈夫。僕が守るから」




「刹那・・・」




「こんな姿をみせても僕のことを刹那ってよんでくれるの?・・・うれしいな」




「そんなこと・・・。別に天使じゃなくても、天使でも、刹那は刹那だし・・・でも後で事情は全部説明してもらうからね!」


そう私が言うと刹那は優しい笑みを見せた。




その笑顔を見た瞬間、なんでだろう、納得してしまった。




本当に刹那は、天使なんだと。





「イヴ!俺は!お前しか必要じゃないんだ!お前がいれば、何もいらないんだ・・・!」




ルキフェルがこちらを見て叫んでいる。


彼は私の中にいるもう一人の存在を愛しているから、


だからあんなにも必至に叫んでいる。


それを私は知っていた。


彼女に、教えてもらったから。


なんとかしてルキフェル・・・ううん、瑠璃に、本当のことを伝えなくちゃ。


彼女の・・・気持ちを。



「ユキ、下がっていて。危ないよ」





「でもっ・・・!」




彼は人差し指を私の口元に近づけた。



「だめ。契約わすれたの?指輪、今なら見えているはずだよ」




自分の手を見てみると



キラリと光るものが指にはまっていた。




「ダイアモンドリリー・・・」



「僕が君を、ずっと守ってあげる、そういったでしょ?」





刹那から指輪をもらう前、私はずっと泣いていた。



多分、"イヴ"だった頃の夢を見ていたのだと思う。




怖くて怖くて、仕方なかった。



でも、刹那が・・・守っていてくれたんだね。ずっと。



「ありがとう・・・。瑠璃に言いたいことがあるの。私は、言わなきゃいけないの・・・」



瑠璃はこちらの声に反応した。




「イヴじゃないお前になんか興味はない!!俺は・・・瑠璃なんかじゃない!!」




「ルキフェル」



私は、彼に伝えなければならない。




イヴさんが、彼を




愛していたことを。



そう思った瞬間、刹那からもらった白い羽のネックレスが輝きだした。


「なんで・・・」




「そのネックレスには僕の力を入れてある。・・・彼女に使ってあげて、ユキ」



ーユキ、私の思いは私が伝えるわ。だから少しだけ、体を貸してほしいのー



声が、聞こえた。



私の答えは、





もちろんYESだ。




「静まりなさい。貴方らしくもないわ」


「イヴ・・・」




「この子はイヴじゃないわ、いい加減にしなさい」



「でも、イヴ・・・ッ!」


ルキフェルの目が潤んでいた。


「いい加減になさい!私はもう死んだの!わかって!」



イヴさんが必死に訴える。


「嫌だ、いやだ、いやだ・・・!」




ルキフェルはその場に頭を抱え込んだ。




「どんなに嫌でも受け止めなければならないの。それに、この子に迷惑もかけてしまったでしょう?この子が幼いころから貴方は接触する機会をうかがっていた!大天使様が止めてくださったからいいものの・・・」





「うるさい!イヴがいけないんだ・・・!!」





「どうして堕天なんかしたの・・・!?馬鹿・・・!!貴方は元々天使だった・・・!私は貴方の瑠璃色の瞳が本当に好きだったのに・・・!」





「お前は、なにもわかっていない!俺は病気で死んだお前のことを放っておいた神が!人間が許せなかった!しかもお前は・・・っ、おれのことを最高の友人だと言った!俺は!お前のことを友だとか、そんなように思ってなんかない・・・っ!俺は・・・俺はっ・・・!」





イヴさんは私の体で、ルキフェルを抱きしめていた。




「・・・泣かないで・・・私がいけなかったわね。ごめんなさい。ユキの体を借りたのは、私があなたに伝えたいことがあったからよ」




「イヴ・・・」




「私は、貴方を愛してるの、ずっと、ずっと言えなくてごめんなさい」




「え・・・」





「ごめんなさい・・・わたしのせいで、堕天使になってしまって、ずっとずっと苦しかったわよね・・・ごめんなさい・・・でも、それでも、許してほしいなんておもわない・・・」



イヴさんはルキフェルの頭をぽんぽん、と撫でる。





「あぁ、和むなぁ・・・」





そういうと、ルキフェルさんの体が光に包まれていった。



「ルキフェル・・・」



「俺はお前のその言葉が聞けただけで十分だ、ありがとう、イヴ。・・・ユキ、お前も聞いてるんだろ?悪かった。お前を巻き込むべきじゃなかった・・・」




「本当だよ、ユキはユキなんだから。君も大概馬鹿だよね」



刹那・・・!?急に何を言っているの・・・!?

今すごくいい雰囲気だったのに・・・!




「でも君には感謝しているよ。なんせ君からユキを守るおかげでユキと会えたんだからね」




そこ!?そこなの!?



「・・・クッ、おもしろいな、大天使・・・感謝するよ」



「イヴ、俺は消えることにする。また、来世で会えるといいな」




「ルキフェル・・・」



「じゃあな」




そういうとルキフェルはきえてしまった。




死んじゃったの・・・かな・・・?




「いや、天使は死なないよ。ただ、あいつの場合は堕天してしまったからね。もう一度人間としてやり直すんだ」




そうなんだ・・・


って私声に出してないよ!?なんで私の考えてることわかるのこの人!




「秘密、だって言ったらユキは絶対怒るもん」



怒る!?なおさら気になるんだけど!?



「・・・ウフフッ、おもしろいわね、貴方たちって!」




イヴさん・・・。



「ユキ、貴方って本当に大天使様に大切に思われているのね」




イヴさんはとびきりの笑顔でそう言った。



「私はもう行くわ。体を貸してくれてありがとう」




「・・・あ、戻った・・・イヴさん!私こそ!記憶をありがとうございます!」



「お安い御用よ。さよなら、ユキ」




そしてイヴさんは消えて行った。



「・・・私、イヴさんに会えて、ルキフェル・・・ううん、瑠璃に会えてよかったな」



「・・・どうして?」



「刹那のことを、思い出せたから」




「・・・ユキ」




「私、いつも夢をみてたの。白い翼が生えてる男の人と話してるんだけどね、結局誰か思い出せずに夢は覚めちゃうの。ずっとずっと、だれなのか知りたかった」



そう。


いつも夢から覚めると、涙が流れていた。



無意識のうちに。





「だから、うれしいの!」





私は、いつのまにか、涙を流していた。




「どうして泣いているの・・・?」



「なんでもないよ・・・!ただ、嬉しくて・・・」



「ユキ・・・」


「刹那、ずっと忘れててごめんね・・・あと、ありがとう・・・」




ずっと、見守っていてくれて。



瑠璃も、イヴさんもいつかきっと生まれ変わって



幸せになってほしいな。




なんて、私の勝手な願いだけれど、





いつか、かなうといいな。

また会う日を楽しみに Ⅶ

最終回っぽい雰囲気でてますけどそんなことないですすみません。

相変わらずの文章力のなさですみません。がんばります。

更新もおそくてすみません。

なんかもういろいろすみません!!

読んでくださった方本当に感謝します!!こんなダメダメな文を・・・!!うぅぅう・・・。

プロローグ http://slib.net/28770
Ⅰ http://slib.net/28788
Ⅱ http://slib.net/28917
Ⅲ http://slib.net/29218
Ⅳ http://slib.net/29862
Ⅴ http://slib.net/30380
Ⅵ http://slib.net/31512

また会う日を楽しみに Ⅶ

『僕が君を、ずっと守ってあげる。そのかわり、君の全てを僕にちょうだい?』 彼には 白い翼が生えていた。

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更新日
登録日
2014-06-21

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