高校生の陽一は、失踪した父の思い出に悩んでいる。父はある日突然、みずからの意思でいなくなったのだ。そこに、美しい少女、真夜が転校してくる。真夜は陽一に親しくしようとしてくるが、その背後には失踪した父の影が・・・・・・・・
クリスマスにふと考えた。 「もう死ぬか」 それを実行するまでの1時間30分ほどの小さな話です。
主人公の秋雨夕焼(あきさめゆうや)は、 一生の願いを使う権限をまだ持っていた。 それを何に使うのか、 そこが今回の小さなお話です。
明日葉いすみは誰より嘘を見抜くのが上手であった。眼は口ほどにものを言うというが彼女にとってそれは不適切である。明日葉いすみは眼どころか顔そのものが言葉のようであった。彼女は人の顔を顔としては認識できず、のっぺらぼうの白紙の上にたくさんの字が書いてある様に見える。おでこのところに名前があるのでそれを読んで個人を認識していた。嘘をつけば顔の真ん中に「嘘」という一文字が大きく浮かぶし、喜んでいるようであれば「喜」の文字が大きく浮かぶ。 そんな彼女が唯一顔を顔として認識する少年がいた。彼、槇正村は感情の起伏に乏しいため、たとえ喜怒哀楽の変化があってもそれは精々頬の片隅にちょこなんと現れるだけで、表情を邪魔立てするような横暴さはまるで見せない。その為顔が隠れることがなかった。 そんな二人が織りなす、一風変わった学園コメディ。
それはとある男のありふれた物語。でも一人一人持つかけがえのない物語。貴方の真意と真実を問われる日が必ずや来ます。それはいつ、どこで起こるのかは私には分かりません。少なくとも彼にはあまりにも早すぎる出来事でした。