自転車を乗り逃げされた町田くんに、私は千円貸しました。 翌日には返してもらったのですが、町田くん、今度は自転車のカギと、有り金全部を奪われて、その現場を一部始終目撃していた私は、結局、返してもらった千円を、また町田くんに貸してあげるのでした。
美術部員一人だけとなった文兎は気分転換に母校の小学校へと足を運ぶ。 自ら描く絵のポーズを決めようと教室を回っていると、六年前、当時小学五年生のころを曖昧に思い出すが多くが欠落しており、いつしかその空白を埋めようと記憶を頼りに自分だけの『秘密基地』を探す。 文兎は記憶の果てに誰も知らないような木造建ての建物へと行き着く。 そこで文兎は真冬なのに薄着の少女と出会った。 その少女は文兎へと言う。 「ひさしぶり」と。 二人の止まった時間は、やがて溶けるように動き出す。
夜の街灯に戯れる虫をみて、たずねる彼女。 蛾か蝶か。 そんなたわいもない会話から、自分の変化や魅力というものについて不安に思う彼女。 変わらない世界があるのかもしれないとネバーランドいう少しメルヘンに落とす僕。
高畑、田中コンビによる第二弾です。 内容は、前作に近いものがあり、新しい店は女性を対象としたサービスを行う内容です。 いろんな女性に登場してもらい、それぞれの特徴を表したかったのですが、内容としてできているのか?は 読者の皆様のご判断にお任せ致します。 所詮、官能小説されど官能小説です。
駅前にある皮膚科の病院に、一人の男がやって来た。この暑いのに、今時流行らない山高帽を被っている。何度かためらった後、ドアを開け、受付に名乗った。「あのー、先ほどお電話した畠山です」「どうぞ中へ」 畠山は帽子のまま、診療室に入った…
久々の休日を一人でショッピングをして楽しんでいた彼女。 人ごみに交じり、昔の彼氏の姿を見かける。それはありえないことだった。遠い昔にすでになくなっているのだから。 しかしそのはっきりした、彼の後姿から視線を外すことができずに、追いかけてしまう。付き合っていた頃に、よく二人で歩いた道であることで、彼女はどんどんついていく。 そして、小道に入ったそこで、見かけない駐車場へとたどり着く。そこに彼の姿は見当たらない。そして、彼女は怖くなり逃げ出す。 この出来事を聞いた後、彼女の行方はわからなくなってしまった。