ある朝、ベランダに一羽の鳩が迷い込んでいた。 毎朝のように、洗濯物にフンを落としていくのは、 この鳥なのかと思ったけれどどうやら違うらしい。 鳩の脚に括られた通信筒――伝書鳩の証。 迷子になっていたことを飼い主に知らせるため、 わたしは一通の手紙を鳩の脚に括りつけた。 わたしと彼の不思議な文通がスタートする。
黒猫何処からかが現れて 「お前に少しだけ夢を見させてやる」 と、言うと不思議な想い出がよみがえる。
俺は捨て猫だった。ある日、女の子に拾われ家族になった。それから、女の子とともに幸せな日常を送るようになった。そして、桜が舞い散る頃、女の子が事故に巻き込まれそうになって、俺はそれまでの感謝を込めて身を挺して身代わりになっていった。
老いてしまった「私」と若き隣人の「彼」。昔は「彼」のようにもっと充実した生活を送っていた筈なのに、いったい何が違うというのだろうか
ランダム(アプリ使用)に選ばれた三題について、原稿用紙3枚(800-1200文字)程度の短編小説。 今回は 「網戸」「プロトタイプ」「自制心」 できるだけ恋愛要素を取り入れられるようにしましたが、少し悲しめのお話なのでいかようにも考えられそうですね。 今回はシチュエーションのみを書いていますが、なんとなく雨の日はこんなのばかりが頭に浮かびます。 25分で原稿用紙1枚強になってます。