オシャレというものにまったく興味のない坂上にとって、たまに妻に付き合わされるデパートほど退屈な場所はなかった。化粧品から始まり、婦人服、雑貨、輸入小物、宝飾品と各売場を付いて回っているうちに、だんだん頭がボーっとしてきて…
これは自然に対する暴挙というものだ。眼前に広がる光景に圧倒されながらも、男はそう思った。久しぶりに戻った故郷の村は、まるで様子が一変していたのである。男が幼い日々を過ごした森は切り払われ、柔らかな曲線は幾何学的な直線にとって代わられ…
アキラはいつものように、仕事から帰ると真っ先にライフナビのスイッチをオンにした。すぐにナビのモニターに若い女性のキャラが現れた。アキラの好みなのか、ちょっと古風な顔立ちである。《お帰りなさい、アキラ》「ただいま、ユリカ…
(作者註:虫が苦手な方は読まないでください) 相川が娘の智子の挙動不審に気付いたのは、夏休みが始まって間もない土曜日だった。今年中学に入った智子は、夏休みになっても部屋でゲームばかりしていたのだが、その日は庭に出て何かコソコソやっていた…
主人公の警察官が出会う、不可思議な殺人事件。 警視庁は、事件解決のために「特殊事件捜査班」という不可思議な事件を専門に扱う、二人の男女を呼び寄せる。 他人とは違う能力を持った、能力者と、普通でいたいと願う主人公が、事件を追う。
ここは、とある独裁国家の秘密軍事研究所。長年の研究が完成したとの報告を受け、この国の最高権力者である将軍がやって来た。将軍は、厳重なセキュリティに守られた特別研究室に入り、自分が呼ぶまで誰も近づかないよう命じた。護衛たちが完全に…
新人ベルボーイの明石は、その男を一目見るなりヤバイ系のゲストだと思った。ごつい体にストライプ柄のスーツ。金色に光る腕時計。極端に短く刈り込んだ髪に、長く伸ばしたモミアゲ。脇に挟んだセカンドバックとは別に、怪しげな紙袋を持っている…
細野が自動運転でトロトロ走っている車をニ三台追い抜いた途端、けたたましいサイレンの音が後方から鳴り響いた。ミラー越しにぐんぐん近づいて来る白バイが見える。一瞬、このまま逃げてしまおうかという考えが細野の頭をよぎったが…
和菓子屋の一人娘林晴子は花が大好きで大学を卒業後家業を継がずに花屋に就職したが、そこで堀口伸と言う青年に出会い恋に墜ちる。 堀口はふとしたきっかけで得体の知れない組織に引き込まれ仕事を手伝う内に不慮の事故に遭い他界してしまう。 この物語は晴子が今は亡き恋人の墓参りをする所から始まる。 堀口の職場の同僚橋口理恵は密かに堀口に好意を寄せていたが、堀口が関わった組織に興味を持ち嗅ぎ回る。だが橋口理恵が晴子に近付いた事が組織の者に知られ、理恵と関わりを持ちたくない晴子は誤解されて、それを良としない組織に目を付けられ組織員剣持弥一に拉致・誘拐され、辱めを受け余計な事に首を突っ込むなと脅され、晴子は拉致した男の子供を懐妊してしまうのだが……。 この物語は晴子の周囲で次々と起こる事件を展開しつつその中で晴子が健気に生きて行く姿が綴られている。