掌編小説第5弾は甘酸っぱい感じで。春には別々の進路をいく、受験生のカップルの年の瀬の小さな一夜を描きました。幼馴染同士の二人が、近づく別れの春を前にして抱える不安と逆に強まっていく絆、と言う感じになってます。仕掛けなしの直球です。短いですが、お楽しみ頂ければうれしいです☆
赤錆びた鉄橋、赤錆びた山々。それらと同調するかのように赤く燃える空、雲、そして太陽。その向こうにある天を貫かんとする幾つもの塔。鉄橋の下には冬に向けて水温の下がりゆく渓流が流れ、中洲に咲いた朱い花から流れでた蜜を引き込み朱い筋をその流れに描く。そこにあるのは、よくある秋の風景。一面が赤く塗りつぶされた世界――――
大切な人、美香をなくし心に大きな傷を負った慎二を見て綺羅はある人を呼びに行く。 一方美香というと……
『私が中学生の時、私の親友3人が交通事故で亡くなった。みんなで横断歩道を歩いてるときに熱中症で意識が遠くなって体が動かなくなった。私の親友達は私を歩道へ連れて行こうとしたけど、信号は赤に変わりそこに通りかかったスピードを出しすぎていた大型トラックが私達4人を轢いた。3人が私を守ってたから私は軽傷ですんだけど、3人はトラックの下敷きになった。 死ぬ寸前の3人は私を見て何かを言った。毎年この日になるとあの日が夢になってよみがえる。でも何度あの夢を見ても3人が何をいったのかは分からない。 それから私は人が怖くなった。私が人と関わったら、その人をまたあの3人みたいに殺してしまうかもしれない。不幸にさせてしまうかもしれない。だから私はこれからずっと一人で生きてゆく。それがみんなにとって...一番なんだ。』 主人公の悲惨なストーリでドラマチックに書きます!
彼女は黒い髪をなびかせて、落ちていった。 君は彼女を探してあの日を繰り返す。 そして僕は絶望さんと出会う。 彼女が落ちたその先に、 君が繰り返したあの日の向こうに 絶望さんの抱える絶望に、 僕は何ができるだろう?
これは死にたがりによる、生きたがりな話。 今回は『名乗らない話』(「小説家になろう」さんのささかま。のページでも重複投稿を行っている作品です)
迎え火の晩、幼い七恵の身体を借りて、蘇った美幸。娘の身体を借りて、現れた妻が語った言葉はかつての僕たちが過ごした日々の再現に過ぎなかった。あなたが、ここにいてほしい。そう思っていたっても僕はもう、彼女に何かを伝えることすら出来ないのだ。それでも・・・・ いわゆる、よみがえりものです。