明日葉いすみは誰より嘘を見抜くのが上手であった。眼は口ほどにものを言うというが彼女にとってそれは不適切である。明日葉いすみは眼どころか顔そのものが言葉のようであった。彼女は人の顔を顔としては認識できず、のっぺらぼうの白紙の上にたくさんの字が書いてある様に見える。おでこのところに名前があるのでそれを読んで個人を認識していた。嘘をつけば顔の真ん中に「嘘」という一文字が大きく浮かぶし、喜んでいるようであれば「喜」の文字が大きく浮かぶ。 そんな彼女が唯一顔を顔として認識する少年がいた。彼、槇正村は感情の起伏に乏しいため、たとえ喜怒哀楽の変化があってもそれは精々頬の片隅にちょこなんと現れるだけで、表情を邪魔立てするような横暴さはまるで見せない。その為顔が隠れることがなかった。 そんな二人が織りなす、一風変わった学園コメディ。
記憶を失った少年、如月 渡(きさらぎ わたる)はある雨の日に1人の少女と出会う。 その少女の記憶は一日経つとなくなってしまう。渡は忘れない思い出を少女に与えてやろうと奮起する。 これは記憶を無くした少年と、記憶を無くし続ける少女の、ひと夏の物語。
学年イチ美人のシオリは、その朝、イイ人が代名詞の冴えないショウタの口から飛び出した ”突拍子もない ”告白に口を半開きにして呆然とかたまった。 ”俺たち、クリスマスに付き合い始める夢を見たんだ ”と真顔で詰め寄るショウタは、断っても断ってもめげずに朗らかに笑う。 笑わないシオリが笑ってばかりのショウタのペースに巻き込まれ、次第に・・・。 ≪全63話≫
美術部で起こった、「絵を汚される」という事件。中学二年生の渡瀬敦は、編入早々「自称探偵」の女子、法月紗羅に助手扱いをされる。はじめは反発する敦だが、やがて一見自信満々の彼女の弱さを知ることになり……。※「小説家になろう」にも投稿しています。
「好き」という言葉を発せなくなってしまった少女、黄美花。 親の敷いたレールをゆくことに疑問を抱く少年、誠司。 ふたりは精一杯に恋をして、泣いて、笑って、成長してゆく。 そして、ふたりを取り巻く大人たちも。 今の時代よりも、ほんのちょっと昔が舞台の青春物語です。
物語はパンツ一丁の僕と、その僕と対峙する警官の場面から始まる。事象には必ず因果があり、それは僕のパン一事件も例外ではない。そのパン一の経緯を、将来の不安、家族の絆、恋愛、そしてドーナツとを織り交ぜながら辿っていく青春喜劇。