アイスプパロ#BL

アイスプパロディです(^^)オムニバス風です〜
原作知ってる方が分かりやすくて面白いかと!
原作→シリウスの醒めない夢
アイスブルー☆スプリング!

アイスプちゃん


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「ね、俺と付き合ってよ」

「ん、いーよ」


よし、またひとり落とした。
僕は谷口仁也、高校三年生。
今落とした男は、僕が最近狙ってた人。
僕は小さい頃から、男女問わずかわいがられてて、付き合いたくなった人は絶対に落としてきた。
…といっても、付き合ったのはほとんどが男なんだけどね。
だって、男のほうが色々と楽しいんだもん


「仁也、お前また男釣ったのかよ」

「変な言い方しないでよ、あっちから告ってきたんだし」

「嘘つけよ、狙ってたくせに」

「へへ、まあね」


丸めた教科書で僕の頭をポコポコ叩いてくるこの男は、楠木 夏彦。3年間同じクラスで、僕の中ではなんだかんだ一番信頼できるやつだ。
そしてこいつは唯一、僕が男ったらしだということを知っている。


「なあ、知ってる?」

「なにが?」

「明日、このクラスに転校生がくるって話」

「え、うそ転校生!?」

「ビッチのくせに情報は遅いのな」

「るっせ!!ビッチゆーな!!」

転校生が来るなんて、初耳なんだけど?
しかも高校三年だよ?珍しすぎだろ。

「噂では、男らしいけど…イケメンかはわかんない」

「へぇ。でもどーせどこにでもいそうな奴が来るんだって。転校生とか期待しないほうがいい」

「冷静だな。イケメン来たら目の色変えるくせに」


まあ確かに、イケメンだったらそりゃ狙うけどね〜

「そーいやさっき告られたのって、あの東?」

「あたりまえー」


そう、さっき僕が告白されたひとは、東 優助(あずま ゆうすけ)。見た目はチャラいけど、この高校では五本の指に入るほどのイケメン。
同学年で、クラスは違うけどLINEで知り合った。
そっからよく会って話すようになって、今に至る。


「こん前俺あいつと同じ電車でさぁ、パッてみたらすっげーギャルの女の子と一緒にいたよ」

「……そーゆー情報いらないから…」

「あ、お前ほんとに好きなんだ、東のこと」


そういわれたら、別に好き…というわけではない。

僕はただ、刺激が欲しいだけ。



「ん、優助からLINEきた」

トークルームを開くと、

[ 俺今日傘忘れちゃった〜
一緒に帰んない?相合傘しよーよ笑 ]

いかにもチャラい誘い。
でもここで断ってはいけない

[ いいよ????
今から優助の教室の前行くから待っててね ]



「仁也、あいつなんて?」

「傘忘れたから一緒帰ろだって」

「はっ、付き合ってそうそう一緒に帰んのかよ、噂だけにチャラい奴だな」


ふっと鼻で笑って返して、傘立てから自分の傘を取る。


「俺はどーすんのよ、置いて行くの?」

「あたりまえだろばーか」

「ひっど〜最低〜」


なんなのこいつ…

「そんないうんなら彼女でも作れ!夏彦モテんじゃん!!じゃーねばいばい」


そう言い残し、夏彦を置いて小走りで優助の教室に向かう。


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教室の前に着くと、優助がひとりでドアの前に立っていた。

「ごめん、待った?」

「ううん、行こ」


僕の腕を引っ張り、強引に手を繋がれる。
ちょっと痛かったけど、強引なのは好きだ。

こんな感じで、優助と相合傘をして帰った。



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・・・・翌日・・・・


朝、教室のドアを開けると、いつもより何倍も騒がしく、誰もが転校生の話をしていた。

「おはよ仁也」

夏彦がニヤニヤしながら僕の肩に肘を置く


「おはよ、朝からなに考えてんの変態」

「失礼な!転校生のこと考えてたんです〜」

はあ?とか言いながら、リュックの中から教科書を出す。

「実はさあ、転校生、かなりのイケメンらしいんだよね」

「なにそれ、どっからの噂だよ」

「知らねーけど、誰かが見たらしいよ、顔」

「へぇ、、、だといいけどな」


まあ僕、イケメンといっても好みあるしな…
性格悪いとかは、いくら顔が好みでも論外。

ボーッとしながらそんなことを考えていると、教室のドアが開き、担任が入ってきた。


「席つけ〜、HR始めるぞー」

みんな今日は素直に席に着き、一瞬で静かになる。

やっぱみんな楽しみなんだよな…
まあ、僕もなんだかんだ言って楽しみにしてたけどね


「じゃあ、ここで転校生を紹介する。入っていいぞ」



静かだった教室が、一気にざわつき始める。
ガラッと勢いよく開いたドアから入ってきたのは、、、




身長が高くて、

すらっとした体型、

髪はサラサラの黒髪、

睫毛が長くて目がぱっちりした、






どストライクのイケメンだった。



「浅田 叶人です。少しの間ですが、仲良くしてください」

そう言ってニコッと微笑んだ彼の笑顔に、心臓が跳ねた。

どうしよう、もしかしてこれって、、



一目惚れ………ってやつ?


「よし、じゃあ楠木の隣に席用意しといたから、そこに座ってくれ」

くそ、夏彦羨ましい………

って、ん?

パッと夏彦の顔を見ると、目が合い、かなりのドヤ顔をされた。
腹立つ〜〜〜〜〜!!!!!



チャイムが鳴ってHRが終わると、みんな一斉に転校生、浅田くんに駆け寄っていく。

僕も行きたいところだけど、あんなモロ野次馬ですアピールするところには絶対行かない。
その中のひとりになりたくない。

だからあえて夏彦のとこに行く。


「夏彦、ここ人多いからトイレ行こ」

「ん、いーよ、、、めんどいけど」


最後の余計な一言に夏彦を睨むけど、夏彦はサラッと無視する。
アカン、こいつクッッソ腹立つ!!笑

トイレには着いたものの、静かなとこに来たかっただけだから、特にすることがない。


「仁也」

いつもより低い夏彦の声に、少し肩が震える


「…なに?」

振り返ると、夏彦の顔がすぐそこにあった。


「お前さ、なんで男と付き合うの?なにが楽しいの?」

「なに、なんでそんなこと今聞くの」

「いーからなんで?」


しつこいな、なんでいまさら………


「僕、最近色々疲れててさ、自分で攻めていくのがめんどくさいっていうか…」

「はっ、それ大丈夫なの?男として」

「うるせーよ、男は男だよ!僕健全な男子高校生だから!!」

「いや健全ではないな、絶対」


もう、ほんとうるさい。
そんなこと人の勝手じゃん

ちょっとイライラしてきた…



睨み合いをしていると、夏彦が突然近づいてきて



ドンっ!!!



僕はトイレの壁に背中を打ち付け、夏彦に壁ドンされた。

夏彦の目を見ると、今まで見たことのない目で少し怖かった。



「俺にこんなことされても、ドキドキしたりすんの?」

僕の耳元で、低い声で囁く


「ふっ、ふざけんな…っ!どけ!!人来ちゃうだろ!」

僕は夏彦の肩を力ずくで押すけど、夏彦はビクともしない。


「大丈夫だよ、来ないから」

「なんでそう言えんだよ!いいからどけ!!」


夏彦は性格はクソだけど、一般的に見ると身長も高くて顔もいい方で、運動もできて、女子に告白されているところを何度も見る。
彼女がたくさんいたことも知ってる。

でも、さっきの夏彦の瞳は、見たことがなかった。


「お前、どーゆーのがタイプなの?」

壁ドンしたまま、聞いてくる


「タイプ?うーん……」



タイプといって一番最初に出てきたのは、さっきの転校生、______浅田叶人だった。


「浅田くんかな」


僕がそう言うと、夏彦はびっくりしたように目をぱっちり開いて、少し無言で見つめ合った後、「なんで?」と聞いてきた。

「なんでって、見た目がタイプだから」


「なにそれ、お前ほんとにビッチだな」



自分から聞いといて、人に暴言吐くなよ。
と心の中で思いながら、夏彦を睨む。

「そんな睨むなって。かわいい顔が台無しだぞ?」

気持ち悪い台詞を言って、壁ドンしていない右手で僕のほっぺを包む


「やめろさわんな」

「こえーな仁也、力はかなり弱いけど」


「うるせー!!はやくどけ!!教室帰れ!!!」

「誘ってきたのはどっちだよ」


いいから帰れー!!と叫びながら夏彦の胸を力一杯押していると、トイレの入り口から誰かの影がみえた。


「おいっ、誰か来る……んっ!!」




影の正体が見えた瞬間、僕の唇を夏彦に奪われてしまった


「…んんっ!!やめろアホ!!!!死ね!!!」

夏彦の肩を両手で思いっきり突き飛ばす。
夏彦は足をよろけさせたが、ちゃんと立っていた。…良かった。

ところで、その影の正体は


「………………お取り込み中失礼しました………」


僕がさっき一目惚れした、浅野叶人だった。

誤解されてはいけないと思って、とっさに浅田叶人の腕を掴んだ。

「ちょっと待って、僕たちそういう関係じゃないから!!!信じて!!!!ただの友達だから!!」

「いや、そういう関係でも別にいいけど……いや、そういう関係の方が、俺的にはいいかな」


浅田の意味深な言葉で、僕と夏彦は一瞬固まる。

……どゆこと?



「お前、それどーゆー意味」

夏彦が睨みながら浅田に聞く。


「だって、同じクラスのやつらがそんな関係だったら、なんかおもしろいじゃん?」

おもしろい…か……?
一目惚れしたけど、ちょっとこいつは変わったやつなのかもしれない。

さっきまでクラスのみんなに囲まれてたのに、なんで今このトイレに来たのか。

それよりも、浅田が僕と夏彦のことを同じクラスだって覚えてたことにびっくりした。



「…面白くないし、そういう関係じゃないから。ね、夏彦」

振り向いて夏彦を見ると、夏彦はいつの間にか携帯を取り出してゲームをしていた。

……おい…


「まあ、浅田クンの想像にお任せするわ、俺は」

はあ!?!?

「ちょっとまって、なにそのどーでもいいみたいな!!キスしてきたのは夏彦の方でしょ!」


「まぁまぁ、君がそんなこと言ってもどう思うかは俺の勝手だから」

浅田叶人がそう言って、ニコッと笑う

そりゃそうだけどさぁ…
やっぱクソだな、夏彦のやろ……!



「あ、それよりさ、君たちの名前教えてよ」


「僕は谷口仁也で、こっちは楠木夏彦だよ」

「へえ、これから仲良くしてね」


「うん…」



目が合う度に可笑しいくらいに鼓動が速くなる
だめだなぁ僕、恋人がいながら…これ完全に、浮気ってやつだよね。




浅田叶人…………………



僕だけを見て欲しい




……決めた、次この人落とす!





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アイスプパロ#BL

最後まで読んでくださってありがとうございました!
これは1話ということになりますが続き見たい方がいたら更新します!

アイスプパロ#BL

アイスプパロディ 転校してきたイケメンを頑張って落としたい奴。今までかわいさで誰でも落としてきたから、初めは余裕だと思っていたが…… かわいくて、ビッチで、計算高いやつかと思いきや、意外とバカで純粋なやつだったりする。そんな友達のことが、ずっと気になってたりする。 転校してきたはいいが、うざいくらいかまってくるやつがいる。俺がちょっと虐めただけで泣いたり、ちょっと手を繋いだだけで顔真っ赤にしたり。俺の一挙一動で色んな顔を見せてくるこいつは、一体何者なんだ。

  • 小説
  • 短編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2015-09-22

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