長保三年(1001年)、平安時代。 この時代、平安の都に名を馳せる一族がいた。 その一族の名は、 『安倍一族』 稀代の大陰陽師にして蔵人所陰陽師・「安倍晴明」率いる陰陽一族だ。 そんな一族の一人、安倍章親。 とある夏の夜。 章親の前に現れた女。 その女は突然、婿になれという無茶苦茶な結婚話を突きつけた! 将来、陰陽頭を務めることになる章親の、少年期のファンタジー物語。
周りに廃れた建物が広がる広場の真ん中で演説する男を見つける少年。 その少年の脳内には数々の言葉が鳴り響く。 ここはどんな世界なのか―――。この少年は何者か―――。 平和とは、何なのでしょう…。
「あははは!」 突如、子供の笑い声が聞こえた。こんな雨の中、楽しそうに笑い遊ぶ子供が今の時代いるんだなと思いながら僕はまた爪を研いでいた。
ずっと、心に降り積もる闇がある。 重くのし掛かるそれは。 優しく穏やかで美しい姫。 貴女はそっと持ち上げて、共に背負うと言ってくれた。 けれども、今では背伸びをしても手が届かない。 高嶺の花、だったのだ。 裏界最強にして覇者の異名を持つ、 『平安京裏組織蟄龍衆』 若頭領の平算と、 源氏の美しき姫君。 裏と表。 けして交わることのない壁に阻まれて。 行き場のない狂おしいほどの恋心をただ。 伝えられずにいたんだ――……。 これは、ちょっと切ない恋模様を描いた、 ファンタジー感強めの平安物語。