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オシャレというものにまったく興味のない坂上にとって、たまに妻に付き合わされるデパートほど退屈な場所はなかった。化粧品から始まり、婦人服、雑貨、輸入小物、宝飾品と各売場を付いて回っているうちに、だんだん頭がボーっとしてきて…
出身校の文芸部誌で偶然発見した、コミュニケーションに懊悩する女性徒のエッセイを引っ張り出してきた。 人はときに、自身が纏う漠然とした気色の悪さを、他者を鏡として発見する。 個性のキャラクター化と同調を良しとする空気のせめぎあいの中で、第三の選択肢に生きてきた少女の自覚の芽生えが興味を惹いた。 こういう子は今、どれくらいいるのだろう。