1997年。父の仕事の都合で新潟から福島の小学校への転校した一哉は信濃川の桜を懐かしみ、転校先の学校でできた友達に教えられた松川の桜の下で一人の少女と出会う。 プルシアンブルーのワンピースを着た、高潔な美を纏う少女に少年は恋を覚える。
文永の年、紀州熊野を歩く念仏聖、智真は一人の僧に行く手を遮られた。世俗の縁を捨て、念仏を勧めて生きることに生命を懸けようと、勧進に踏み出したばかりの智真は、僧の疑念に応えることが出来ず、熊野本宮に篭もる。そこでの幻想体験を通じ、智真は一遍と名を改め新生する。 時宗の始まりの物語。